チーミングでは「こんなものだ」と思うことが心理的安全を作る
ベテランエンジニアと入社数年のエンジニアではあまりにも技術力の差があって勝負にならないというか、仕事を一緒にするのは大変なことなんですよ。反対に、同じくらいの年齢層のベテランのエンジニア同士だと専門とする技術は違っていても、(それぞれがやることをやっていれば)和気あいあいというかベテランエンジニアの馴れ合いですべるダジャレを投げ合いつつも仕事が進むのです。これは若いエンジニア同士でもすべるダジャレはないかもしれないけれど、和気あいあいさ加減は同じなんですよね。
チーミング
チームを構成することを個人的にはチーミングと呼ぶようになって10年以上経つんだけれど、たぶん、どこかで誰かが使っていた言葉をいいなと思って使っているんだと思います。いいなと思って、使ってみていいなと実感できることは続けるのです。
チーミングで必ず起きること
さて、チーミングするとどうしてもチームに必要なスキルとスキルレベルが組み合わせになるので年齢層も持っているスキルも多様になるわけです。多様とはいえ、チーム自体はこじんまりとしたものなので人数は少ないのです。ここで組み合わせによるコンフリクトが起きるのです。
それは、ベテランエンジニアと若手エンジニアの様々なギャップです。一番大きなギャップは経験知ですね。40代のベテランエンジニアと20代の若手エンジニアなら20年のストックの差があるわけで。
この経験知の差を認識できないベテランエンジニアが少なくないのです。さを認識できないとどうなるかというと、若手エンジニアに対して、自分と同じレベルの仕事の仕方を要求するわけです。
責任感が強いと自分を責めるから…
若手エンジニアも経験知がない分、自分に能力がないと自責するんですよ。ここにお互いに心理的に安心できる場所をみすみす作れずにギクシャクしてしまうんです。これを若手エンジニアに配慮しろというのは酷なことです。経験知でアドバンテージがあるベテランエンジニアが配慮することです。リーダなのだから。
心理的安全を作る6か条
- ベテランエンジニアは若手エンジニアより経験知が絶対的に多いと認識する
- 若手エンジニアが理解できているかを言葉や行動で確認する
- マネージャなど第三者の視点で一方通行のコミュニケーションになっていないか確認する
- 若手エンジニアにどれがいいか判断する機会を与える
- 若手エンジニアの成長を時間軸で計測する
- 自分も若手の頃は「こんなものだ」「これよりひどかった」と思い出す
助け合うことが心理的安全の近道
諦めるのではありませんよ。自分もこんなもんだったのだから、同じように育つことを助けよう、と思うようにしようね、ということです。自分が若い頃になんだかんだベテランエンジニアに助けてもらったことを思い出します。
親になれば子供の成長を見守ることしかできないように、大の大人であっても若手エンジニアの成長に関与できることは育つ環境を整えるしかできないのです。
お互いに助け合うチームこそ心理的安全の近道です。