チームの自己組織化の道を今選ぶべきか

自己組織化。そうした話題がTLで出てくるのだから、流行りのキーワードと言えばそうなのかもしれない。

実はここのところ、メンバに対してある実験をしているのです。明示的にどんな実験かをメンバには伝えていません。あくまでも業務の一環として。まあ、その業務自体が意味あることなのでそれが直接的な目的に当たるのですが、マネージャとしては間接的な目的の方が重みがあるのです。

マネージャがいつも考えておくこと

マネージャがいつも考えておくことにはどんなことがあるでしょうか。小難しことではなく、実務としてわかるよと思ったら、先を読まずに付箋紙にでも書き出してから読み進めるとマネージャがいつも考えておくことの違いを知れて良いかも知れません。

 

 

ではどんなことをマネージャなら考えておくことと思っているか、です。

 

ワークロード、つまり、メンバの作業可能量と実務の作業量のギャップを把握して対策をすること。

 

面倒で難しいことはたくさんありますが、まずは給料を払うだけの仕事を終わらせる必要があります。ただし、いくらでも仕事をさせればいいってものじゃないし、無理をさせれば早々にそんなやり方はメンバが壊れるか辞めてしまうので破綻します。

 

働ける作業量を把握しておくことと実務の作業量の双方を把握しておくことは実務を終わらせるために必要な基礎情報です。

特に、働ける作業量を把握しておくことは大切である一方、メンバの都合や組織の都合で制約を受ける対象となるのです。

  • 組織の関節業務
  • 組織の教育
  • 組織の活動
  • メンバの休暇(計画年休、病欠など)
  • メンバの産休、育休
  • メンバの子の行事
  • メンバの介護休暇

どれだけ制約を受けるかは、所属する組織の勤怠管理上での労働時間外に組織が認める区分を見ればわかります。

どれがどれだけあるタイミングで起きるかの予測はつきませんが、産休や育休はメンバから報告があった時点で以降2年間は制約を受けることを想定することはマネージャなら想定できるでしょうし、何を知っておいた方が良いかは人事担当に尋ねれば一般的な情報は得られるものです。

上述の箇条書きの項目のうち、全く予想できないのは病気と介護による休みです。それ以外は、計画されて行われるのでワークロードが100%でないことは明示的なのですが、業務をアサインすることに目を向けるとすっかり忘れてしまうのです。

 

チームのマネジメント

確かに以前に比べて自己組織化の話を目にする機会は増えているように感じます。たまたま関心があるので目に入りやすいのかも知れません。

では、誰のどこの組織でも自己組織化が必要なのでしょうか。

答えはyesでもありnoでもある、という玉虫色となるほかないでしょう。それを答えられるのはその組織をマネージするマネージャが業務をどう捉えているかによります。

 

そうしたマネジメント手法をとやかくいう前にチームの業務の特性をどう捉えているかの方が何倍も大切です。

 

所属するチームの業務特性にはどのようなものがありますか。その必要性を認識して、理解して、特性を捉え直し、最適化するためのマネジメント手法を取らなくてはなりません。

 条件付きであれば、多くの場合は自己組織化のマネジメント手法でいけるはずです。なぜなら、基本的に個人にアサインされたタスクは個人の判断に基づいて決定され、実行されているからです。

 では、条件付きの条件とは何か。それは、明示的に言語化されたルールに基づいて行動することをチームのメンバがコミットできるかどうかです。

そのルールには法令遵守かも知れないし、人命に関わる作業かも知れないし、品質に関わることかも知れないです。いずれにしろ、チームの共通的な価値観が言語化されていることには変わりませんが。

 ただ、守るよというだけでは意味がなく、そうしたやるやる詐欺では、早かれ遅かれチームのマネジメントは破綻します。継続していることをモニタリングすることが大事になりますし、マネージャは業務特性から採用したチームのマネジメントの調整を業務が終了するかマネージャの任を解かれるまでは続けなければなりません。

 

 

 

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