後任のリーダをどう育てるか

プロジェクトマネージャもマネージャも、そしてSEリーダでさえ、常時、後任を育てなければならない。後任になる候補がいないならその仕事から抜けることを考えるか、ビジネスを育てて後任候補をアサインしてもらえるところから始める必要があるの。

なぜ後任を育てる必要があるかは、これまでのどこかのエントリに書いてきたので割愛するとして、後任をどう育てるかを考える。

多くのリーダは、頭では後任や後進育成(こちらの方が対象が多くなる)が必要なことはわかっているけれど、実務のやりくりの中で後任を育成することについては全くもって手につかない状態のままだ。

なぜなら、後任育成についてのメリットを体感していないことと後任育成で手に入れられる価値の大きさをわかっていないから。

もうひとつある。リーダ役のエンジニアが後任を育てないのは、そのポジションの居心地がよく、居座るつもりだからだ。

このパターンのリーダの下についたメンバは、そうであることを察したら早々に配置転換をマネージャに伝え、出ていくことを考えた方がいい。そうでなければ都合よく使われて、しかも、他で通用しない古く、適用力のない業務しか身につけられないからだ。

話を戻して、後任をどう育てるか。

リーダである自分自身が育ってきたことをそのまま繰り返そうとするリーダが少なくないが、それはそれで育ってきたリーダが適用できただけで、これから育てようとする後任がフィットするかはわからない。

ひとつ確認しておきたいことは、リーダは人に教えをする技術を身につけているかどうか、である。教えることの技術を持ち合わせていなければ、自分の体験を後任に同じようにしたとしてもリーダのようにリーダとして育つと思ってはいけない。多くの場合は、育てられた経験は反面教師であることが多い。

後任を候補として育てるのであれば、次のことを行うことを検討してほしい。 

  • 期待する後任の範囲を対面で伝える。
  • 後任候補として担当する作業。特に、後任候補として増やす担当業務の部分。

特に配慮したいところは、後任候補として増やす担当業務がリーダの仕事の中で中核の業務に位置付けられているかどうか。ここを考えずに作業を増やすと単に都合よく使われている感が増すばかりだ。

更に言えば、実際、リーダが中長期で不在になったケースを想定したときに業務が回るかどうか、である。この観点で渡す業務が適切かをテストすればいいのである。

もし、業務が滞るようであれば、それは担当させている業務が適切でないということだ。

もうひとつ。マイクロマネジメントにならないように=仕事の仕方を考え、自主的に完了させるために、仕事の目的と完了状態を伝えることを忘れずに。 

 

 

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法