50歳を過ぎたエンジニアがキャリアを再構築するために
50歳を過ぎると60歳まで、あと10年もないです。当たり前ですね、簡単な引き算ですから。組織によっては65歳まで組織が必要とするならば、雇用延長もあるかもしれませんが。
そこそこ資産があり、仕事以外でやりたいこともあるのなら。そちらで精を出してもらえればよろしいのではないかと思いますが、多くのエンジニアはそうもいかないかもしれません。
今出来ること、出来ないこと
今出来ることと出来ないことを棚卸ししてみましょう。あと、レベルですね。列に出来ること、行をレベル分けして、ITSSV3のレベルでプロットしてみましょう。
注意したいのは、ここで自己評価を甘くしないことと、辛くし過ぎないことです。
自己評価を甘いかどうかの判別方法は、実績があるかないかで簡便的に判定できます。
辛くし過ぎていないかを判別する方法は、レベル評価との紐付けが低くしていないかで判定します。
まあ、どちらのケースでも自分で自分の評価を偽れば、あとで苦労するのも自分なので厳密性は問いません。
組織の○○さんの組織名を外してみる
端的に言えば、自分の名前をエゴサーチしてみて、名前が出てくるかどうかです。ネット上で自分が専門とする技術領域で名前が売れているかどうかを判定します。
別にネットで名前の認知度が高くないから残り10年のキャリアを諦めないといけないかと言えばそうではないです。クローズドな専門家としての付き合う学会的な集まりもあるので。
それでも敢えてエゴサをというのは、どこかのタイミングで組織を去るときには、組織の看板が外れるのだということを今から理解しておくことには意味があるので。
今から、真面目に、今から専門領域の会合やセミナーに出て行って、5年も活動すれば組織の○○さんの組織が外されても○○さんと名前が関わった人に残ります。
組織の看板が外れた後に持っている技術を生かして何かビジネスに関わりたいときにそうしたつながりと名前の記憶が役に立ちます。
出来ることの隣を耕す
はじめに出来ることを尋ねたのは、出来ることの幅を増やすということを今からしておきましょうという前フリだったのでした。
歳をとれば新しいことを考え、理解することだけでも億劫になるものです。でも、それでは現役で第一線に残ることは難しいだろうし、それだったら年齢の高いエンジニアより若手を選ぶのが顧客心理です。
50歳を過ぎたエンジニアがああしたい、こうしたいと自分の都合だけで考えても誰も買ってくれません。買い手の気持ちになって買ってもらえる、つまり、対価を支払ってでも50歳を超えたエンジニアを買いたいと思わせる価値を自分で作る活動を始めなければなりません。
考えるより、行動を起こすこと。
今日、やらないと一日分だけ機会を失い、10年にも満たない残りの余白がゼロに近くだけです。種まきは今しなければならないのです。
結局、組織の中で必要とされるのは組織にいる間で、それもそれなりのロールについているエンジニアだけです。一担当のエンジニアは期間満了でパージされるのです。
散々、システム開発でエラーケースを考えて実装してきたのですから、キャリアでも同じように組織から外れた時のケース文を準備していきましょう。