資格なんて価値がないと言えるエンジニアは誰か

例えば情報処理技術者試験のような資格がある。メンバが目標管理の中で取りたいというなら奨励する。本人が勉強したいというのだから止める理由はないし、個人の時間で勉強するのだからあれこれ言う権限を持ち合わせていない。

資格を持っているエンジニアを見ると2つのパターンに分けられる。その資格を取って仕事に生かしているかどうかだ。実務で経験知を積み上げ実力があるエンジニアが資格を取るパターン。もう一つが資格は取るが、試験勉強の知識だけしか持っていないエンジニアだ。後者が決してダメということはない。業務しかせず勉強をしないエンジニアよりは向学心があっていいじゃないか。だからと言ってそれ以上でも以下でもない。

前者のエンジニアと後者のエンジニアの違いはないかというと、取った後に違い出る(仔細に話せば、取る前から違いがある)。それは資格保有者のコミュニティやアライアンスのような活動に参加しているかどうかだ。

資格を取った後も、資格維持に相応しいアップデートをしているかどうか。

後者はタイトルコレクターのように資格を持っていることが多いがそれだけである。要は、現場で戦力にならないことが多い。なぜなら、机上だけの知識で現場経験がないからだ。アサイメントの都合あるが、是非にと保有する資格を活かすようなwillをいうわけでもない。

ところで、資格を全く取らないエンジニアもいる。資格の話題になると資格なんて価値がないというケースまである。資格に対する価値観はエンジニア夫々だろうからどう思っていても良い。ただ、そう言う発言をするのは中堅以降のエンジニアである。

では、資格は価値がないエンジニアはどうなのかといえば、やはり2つに分けられる。ただ、比率がだいぶ違う。資格は取らず、アサインされた仕事だけをしているエンジニアと、専門分野の界隈でプレゼンスがあるエンジニアである。後者は極端に少ない。

前者の場合、技術的に中庸である。プロジェクトが立ち上がればアサインされるがそれだけである。後者は口が悪いとかうるさいとか特徴があるが、面倒臭い仕事はするし、新技術を押さえている。それより、外部で活動して名前がそれなりに売れている。

別の切り口で資格の見方がある。実務で経験した成果を資格の形に残す、と言うものだ。これはなるほどな、と思った。実務での経験を実務の実績だけで示すのは第三者からすれば知識量だとか技術レベルだとかエビデンスをどう取るかが悩みどころだ。実務ではロールと担当範囲で知ることができるが、形式知のレベルは判断が曖昧になる。それを資格で示すと基礎的な知識は持っていることが第三者の資格として可視化される。

もう1つは、希望するアサイメントにリーチできない場合に、アサイメントするマネージャに訴求する手段として使う。第三者が知識を持っていると言っているのだから、そう言うエンジニアの人材を使わないマネージャの目は節穴か、と迫るやり方である。

これは自分が使った手法なので割と効果的である。

資格に価値がないなんて言えるのは、実質資格認定団体が求めるような課外でのアウトプット活動をしているエンジニアだけではないか。