日常と水漏れとエンジニア
今の家には洗面が2ヶ所あるのだが、どちらも微妙に水が漏れはじめてから少し時間ガッ経っていたが、漏れた水の吸水用にマイクロファイバーを置いておけば、いい感じに水を吸い取ってくれるのでしばらくそれで運用していた。
漏れる水もジワリと滲むような感じで、急いで水道業者を呼んでまで修理をするような喫緊の自体でもない。要は、見た目は悪いが、マイクロファイバで吸水して漏水を拭う運用で不具合をカバーしていたわけだ。
そうしていたのは世間様に見えるわけでもなし、その滲む漏水で家屋が痛むわけでもなし、さらに他の事項の方が優先順位が高く、放置していたようなものだ。
ただ、放置していた原因は別にあったのだが。
日々の日常の中で、見える事象と事が起き続けている原因は別にあることが多い。起きている事象は滲む水漏れだが、それを放置状態にしているのは別にある。その理由を明らかにするのは簡単なことだし、第三者が知ればなんということはないことが多い。今回の滲む水漏れを放置していた理由は、単にどう対処すれば良いのか滲む水漏れの対処方法がわからなかったからでしかない。
得てして理由なんぞ、そんなものだ。
ただ、ずっと気になっていたのは事実で、ある大きなイベントが片付いた(しかし、また次の事案があるが手につかない)ので、いよいよ手をつける機運が高まった(現実逃避として)ので情報を集めることにした。
近所にこじんまりとしたホムセンがあり、水回りのコーナを眺めていると無料の小冊子が下がっている。いくつか手に取り、内容を確かめると事象と必要な工具が記載されている。一旦、それを持ち帰り、しばし放置する。まとまった時間とそれをやろうとする気持ちが整わなければならない(ここでもまた先送り)。
さて、こうして一向に手がつけられない、でも放置でもことが大きくならないことを放置しておくとどうなるか。予想もだもしないタイミングでえらい被害を受けるリスクを自ら高めるだけである。
こうしたあまり気が進まないときの進捗させない理由は、当事者のマインドにあるため、イベントを作ってやらざるを得ない環境を作るのが一番である。
要は、やる日を決めれば良い。
さて、実際には、日中の暑い中、小冊子に書いてあったちょっとした道具を買いにいき、まずは原因を特定するという原因分析を行う。洗面の下の収納物を外に出し、多めの雑巾を配管の下に敷き詰め、元栓を閉め、ナットを緩めると配管に残っている水が落ちる。
どうやらゴムが硬化しているようで、それとナットを1つずつ持ち、ホムセンであたりをつけた後、係りの方に尋ねると汎用品のOリングに変えれば良いと教えてもらう。
戻って取り付け、組み直すとジワリと滲む。どうやら下側のナットから漏れているようだ。もう一度バラして見ると硬化した青いシールのような部品があり、これも硬化している。パイプから外そうとすると半分に割れてしまった。
さて、3回目のホムセンである。汎用のOリングの並びにあるシール材を求める。戻って組み付け、流水量を最大にしても滲まなくなった。すばらである。
よく見ると、混合栓が汚れているのでもう一度バラし、スチールウールと水ペーパーで汚れを取り除き、組み立てる。都合、4回、5回程度バラしては組み立て直している。
3分も洗面下の収納に顔を突っ込んでいると吹き出るように出てくる汗を拭い、水分を補給して戻ると混合栓と洗面台の間に挟む緩衝材が「こんにちは!」と声をかけてくる。おやおやと諦めと慣れからくる余裕を持ち出して再び栓を閉め、バラし、組み立て直す。
翌日、もう1箇所の洗面の滲む水漏れを目にして、片付けることにする。ただ、前日とは形状が違うため、蛇口のシールから型番らしき英数文字列を確かめ、検索する。こちらも古い物のためドンピシャの型番はヒットしなかったが、末尾違いの取説の展開図が見つかり、メーカもわかった。
洗面下に潜ってみると前日修繕したものと違う。はてと、想像し、上部のシャワー切り替えヘッドを回し、蛇腹状の金属製のホースから外す。ホース側に形状の違うOリングがあり、それを外してみる。断面がU字になったOリングである。
こちらも情報を得ようと、先ほどの末尾が違う取説や画像検索で見つける情報から多分、取り替える部品はあるのだろうとあたりをつける。
また近所のホムセンにいき、探し回ると同じような形状のU字のOリングを見つけ、持ってきたそれと重ね合わせると同じようなサイズであることがわかる。ただ、外周が気のせいか大きい。
戻り取り付けると内周がじゃかん大きく遊ぶ。あのホムセンにはこれより小さなサイズのOリングはなかったので、大きなホムセンに行くか、物を確かめないでネットで手配するしかないが、ネットでは買い合わせか夏季休業となっている。
どっちにしろ買って、開封してしまったことと、これから暑い最中に外に出るのもあれだと思い、これで漏れが止まるか検証をすることにする。組み立て直すとシャワーヘッドがきっちと収まらず、ゴミを取るフィルタを外しても1ミリ程度隙間ができてしまう。
ただ、通水すると滲まなくなるのでしばらく経過観察することにした。
改めて、未経験のことに対して手をつけること自体が、心理的な障害となることを学ぶ。やってごらん、というよりは、一緒にやろうと誘う方が良い理由はここにある。
ただ、いつまでもそうした環境を用意することはできないので、自分で後始末できる程度で失敗を前提として、原状回復できるように事前事後の情報を記録か記憶して、失敗することをやってみることが一番である。
眺め直すと、情報収集やトラブル解決の手順や障害解析の試行錯誤や対処後の経過観察など、仕事で身につけたことが役に立っていて、エンジニアの業務は業が深いと思わざるを得ない。
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