プログラミングが好きな50代Web系エンジニアだからこそ

50代のエンジニアとしての生存戦略の話になると、丁度、スィートスポットなので関心を持たざるを得ない。何についてかと言えば、これである。

まあ、Qiitaだし、Web系エンジニアと限定しているので記事のタイトルを見たときにはスルーしていたが、気にはなっていたので読んでみたら、ちょっとねぇという内容で。

 

qiita.com

 

結論の前に、前提事項があるのだろうと、まずは感じざるを得ない。特に、30代中盤の金融資産の下については、書かれている方の想定しているライフスタイルが少なくとも自分とは違う。

自分のライフスタイルから見れば、この方は独身が前提であることが手にとってわかる。晩婚と言われてから随分経つ。仮に30歳で結婚したとすると、50歳はまだ大学生である。40代は中高生と教育費用が掛かる年齢だ。これを書かれている方は、塾の費用について情報をお持ちではないのだろう。

自分のことを前提にするなら、結論の前に自らが暗黙で置いている前提事項を書かなければ、読者は混乱するだけだ。

続けて、50代は一線で働けないとでも思っているのではないか。これも何か前提があるのだと思うのだが、これは判別する情報が伺えない。

キャリアの考え方、エンジニアとしての技術を使いたいという欲求とエンジニア一人ひとりで違う考え方があるだろう。

その一つの考え方として、30代から40代で一度はマネージャを経験しておくことが必要だと考えている。その考えは、50代に入ったら、また現場で働くことを勧めている。なぜなら、ビジネスは現場にあるからである。マネージャを経験した後、現場に戻すのは、マネージャの新陳代謝を促すためであり、誰もがマネージャの素質を持っているとは限らない(=ミスマッチを早い段階で気づかせる)ため、組織として代謝させることで適職に戻すという狙いがある。

さて、話を戻して、50代になったら処遇が下がることを受け入れる許容することは冗談ではない。その理由は上述したのでここでは述べない。逆に、許容することはないが、収入に見合うビジネスをキャリーさせれば良いのであって、それを一律下がることを許容するように引っ張ることのメリットがさっぱり不明瞭である。

ところで、『良質な脇役』というなんとも都合の良い役割があるが、これを目指すならそこそこ中堅のSIerでなければ実現できないのではないか。

自分が経営者であれば、それこそ、縁の下の役割をフリーランスのエンジニアには任せない。自社のシニアエンジニアにその任をやってもらう。

というか、フリーランスのエンジニアを雇うのであれば、先端的な技術や手法を社員が学ぶ時間より買ってきて、それをスキトラするために使うだろう。常用的にフリーランスを使うのであれば、そのフリーランスを雇用してしまう方が突如やめられてしまうリスクでヒヤヒヤするよりなんぼもマシである。

言い換えれば、フリーランスで採用の声が掛からないエンジニアは代替が利くエンジニアである。

あと、Web系エンジニアで50代のロールモデルがないというのは、Web系の技術が(日本で)採用され、広くエンジニアが増えたのは2000年後半でこれから増えてくるのではないか、つまり、今は単に有名人がいないだけか、世代的に少ないだけではないかと思うのだが、どうなんだろう。

 

 

 

 

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