エンジニアがマネジメントに興味を持ったら読む本

読んで良いと思った本の感想を書き残すのは良い習慣だとおもう。それがブログなら、コメントも、感想に対するリプもあるだろうから、そうしたコメントからまた、理解が深まることもある。エンジニアは、そうして自分自身で得る学びより、他のエンジニアから学ぶ方が多い。

 

 

dskst9.hatenablog.com

 

その点で良いとおもう。紹介されている本で気になるのがこの目次構成である。

この切り口がどうも人の単位を切り口に構成されているのが良し悪しではなく、単に特徴的に感じて気にかかるのである。

 

推薦の声
まえがき
はじめに

1章 マネジメントの基本
1.1 上司に何を求めるか
1.2 管理のされ方
1.3 自己診断用の質問リスト

2章 メンタリング
2.1 チームの新人に対するメンタリングの意義
2.2 メンターの務め
2.3 すごい上司、ひどい上司──アルファギーク
2.4 メンターを管理するコツ
2.5 メンターの重要な心得
2.6 自己診断用の質問リスト

3章 テックリード
3.1 優秀なテックリードなら必ず知っている、ある奇妙な「コツ」
3.2 テックリードの基礎知識
3.3 プロジェクトの管理
3.4 プロジェクト管理の実務
3.5 決断の時──技術職を貫くか、管理職への道を選ぶか
3.6 すごい上司、ひどい上司──プロセスの何たるかを心得ている上司と、プロセスツァー
3.7 優秀なテックリードとは
3.8 自己診断用の質問リスト

4章 人の管理
4.1 直属の上下関係
4.2 チームメンバーとのコミュニケーション
4.3 1-1の進め方
4.4 すごい上司、ひどい上司──細かすぎる上司と、任せ上手な上司
4.5 効率よく仕事を任せるために──実践的アドバイス
4.6 「継続的なフィードバック」の文化をチームに根付かせる
4.7 勤務評価
4.8 キャリアアップの取り組み
4.9 やりにくい仕事──成績不振者の解雇
4.10 自己診断用の質問リスト

5章 チームの管理
5.1 ITスキルの維持
5.2 機能不全に陥ったチームの「デバッグ」の基本
5.3 盾になる
5.4 チームの意思決定を主導するコツ
5.5 すごい上司、ひどい上司──「対立を何とか手なずけられる上司」と「対立を避けて通りたがる上司」
5.6 やりにくい仕事──「チームの結束を乱す人」への対処
5.7 管理者が担当するべき、より専門的なプロジェクト管理
5.8 自己診断用の質問リスト

6章 複数チームの管理
6.1 時間の管理──何はともあれ「重要な仕事」に照準を
6.2 意思決定と委任
6.3 やりにくい仕事──「ノー」にも言い方がある
6.4 コードの作成以外のITスキル
6.5 直属の開発チームの健全性を見きわめる
ほか

7章 複数の管理者の管理
7.1 スキップレベルミーティング
7.2 部下である管理者たちに責任を課する
7.3 すごい上司、ひどい上司──「ノー」と言える管理者とイエスマン
7.4 新任管理者の管理
7.5 ベテラン管理者の管理
ほか

8章 経営幹部
8.1 技術系の経営幹部の肩書と役割
8.2 技術担当バイスプレジデントとは?
8.3 CTOとは?
8.4 優先順位の変更
8.5 戦略の策定
ほか

9章 文化の構築
9.1 自分の役割の見きわめ
9.2 会社や担当部署の文化の創成
9.3 コアバリューの活用
9.4 文化に関するポリシーの策定
9.5 キャリアラダー作成のコツ
ほか

10章 まとめ

索引

引用 https://amzn.to/2zUbVZu 

 

振り返れば、自分自身のマネジメントに対する知識は、プロジェクトマネジメントから入ったのだろうと思っている。プロマネを経験しながら次のステップを考えたとき、目指したのがマネジメントだった。

そこで調べてみるとマネジメントのメジャーどころは、P.F.ドラッカーだったのである。それに本も多く出ていてどれがどう違うのかがさっぱりわからない。だったら、要約版を読み、なるほどと1つでも思えばよかろうと買ったのがこれである。

 

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

 

 

さて、エッセンシャル版のマネジメントの目次を見てみよう。

Part1 マネジメントの使命

第1章 企業の成果
企業とは何か
事業とは何か
事業の目標
戦略計画

第2章 公的機関の成果
多元社会の到来
公的機関不振の原因
公的機関成功の条件
第3章 仕事と人間
新しい現実
仕事と労働
仕事の生産性
人と労働のマネジメント
責任と保証
「人は最大の資産である」
第4章 社会的責任
マネジメントと社会
社会的影響と社会の問題
社会的責任の限界
企業と政府
プロフェッショナルの倫理
Part2 マネジメントの方法
マネジメントの必要性

第5章 マネジャー
マネジャーとは何か
マネジャーの仕事
マネジメント開発
自己管理による目標管理
ドルマネジメント
組織の精神
第6章 マネジメントの技能
意思決定
コミュニケーション
管理
経営科学
第7章 マネジメントの組織
新しいニーズ
組織の基本単位
組織の条件
五つの組織構造
組織構造のついての結論
Part3 マネジメントの戦略
ドイツ銀行物語

第8章 トップマネジメント
トップマネジメントの役割
トップマネジメントの構造
取締役会
第9章 マネジメントの戦略
規模のマネジメント
多角化のマネジメント
成長のマネジメント
イノベーション
マネジメントの正統性

結論
付録 マネジメントのパラダイムが変わった

 引用 マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

アプローチの違いがわかるだろうか。『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』の方が取り扱っている世界が技術の世界だけを対象としている。

マネジメントの世界は広いが、その中のエンジニアの世界を切り出したと書いてあれば良いのだが、そうかどうかはまだ読んでいないのでわからない。

本が売れない時代だからこそ、ターゲットのセグメントをフォーカスし、そう取り扱っているのだろうと察している。

さて、エンジニアがマネジメントに興味を持ったらどの本を読んだらいいか、である。エンジニアに特化した本であれば、上記の本からもで良いのかもしれない。

自分のアマゾンの購入履歴を古い順で追ってみると以下の本を読んでいたらしい。

 

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

 

組織構造のマネジメントを買ったのは、旧版である。

【新版】組織行動のマネジメント―入門から実践へ

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ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

 

 

本棚にはもっと多く積んである。組織だとこうなる。

 

組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)

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リーンソフトウェア開発と組織改革

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組織パターン (Object Oriented SELECTION)

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米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方

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チームの切り口だとこんな状態である。

 

システム開発現場のファシリテーション ~メンバーを活かす最強のチームづくり~

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あなたのチームは、機能してますか?

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すごいチーム―結果を出すチームマネジメント12の方程式

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チームビルディングの技術―みんなを本気にさせるマネジメントの基本18

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 アマゾンでの購入履歴だけで振り返ると、割と理屈っぽいところからhow toの方によっているのは、マネジメントはドラッカー以降、代わり映えしておらず、how to本やプラクティス本が多く出て、ある界隈で話題になるくらいに手に入れているかだろう。

ただ、これを全部読んだかと言えばそうでもない。最初の概論的なところを読み、大枠を押えたあとは経験と論理をすり合わせ続けているから、それほど必要としないのである。

エンジニアもマネジメントに興味を持ったらどこかでドラッカーはつまみ食いしておいた方が良いかもしれない。