エンジニアが組織への経済的な依存関係を断ち切って得られるもの

20年以上目標管理制度の中でエンジニアとしての価値をあげるきっかけをもらったり(今思えば)、マネージャとしてメンバのきっかけを作る側の役割をしてきた(つもり)だが、マネージャの立場でメンバにエンジニアとしての『価値、バリューを上げよう』と言っても8割は動かない。

働き方に対する価値観が違うのだ。

そういう自分だって、20年からの5年くらいは、どうやればいいかもわからなかったし、どうしてそうする必要があるのかもわかっていなかった。

色々とあり、その辺の考え方がわかり、やり方も考え方も自分なりに消化できたのだが、ここ最近、また一つの経験をしたことで、身につけたやり方や考え方の方向性としては間違っていなかったと確認することができた。

今の組織を辞められるという選択肢を持っていることを確信できたからだ。まあ、法的に労働者は退職の意思を伝えれば、いつでも所属する組織を辞めることは出来る。辞めたい環境下であっても実際にそれをしないのは、突き詰めれば、経済的に所属する組織に依存しているからである。これを断ち切れる何かを持っていれば組織への依存関係は解消する。

経済的な依存関係を断ち切る方法には、

  • 別の収入源を確保する
  • 他の組織へ移る

のどちらかである。前者の『別の収入源を確保する』も間接的には、所属する組織から離れられるバックグラウンドを持つことと同じであるが、経済的に依存関係を断ち切ることで別に移るつもりはないが、経済的に依存していないから、それまでとは違う働き方が出来る。

それは、自分の意見を上司に合わせる必要がなくなるのである。もちろん、組織の中で働くので相手を尊重するとか敬意を払うとか人としての振る舞いは当然として、意思をはっきり示すことが出来るのである。

この、自分の意思をはっきりと示すことは、今まで以上に自分の頭を使って考えることが出来るようになる。なぜなら、自分の意思を示すためには、それに応じた準備が必要になるからだ。

当の本人は、組織への依存から解放された副次的効果で組織のしきたりや暗黙のルールなどのしがらみから抜け出した途端、意見をいう様なるので、マネージャからしれ見れば、(良い意味で)放っとけない存在になるのである。

これは一つのケースに過ぎないのかもしれないが、組織から経済的な依存関係を断ち切った上での働き方が出来るというのはエンジニアにとって働く価値観の変え方なのかもしれない。

 

 

リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書

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