メンバが技術志向を訴えてきたときに

考え方は色々あって構わないと思うし、属する組織の事業形態に依存する部分もあるからどのようなアドバイスをするのも構わないと思うが少しきになる。

 

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アドバイス部分は引用エントリを見ていただくとして、

 

Q 得意な技術で仕事をしたい
A 得意技術で仕事ができるとは限らない。技術を使うビジネスケースを考えよう 

 

と読めたのだが、読み違いだろうか。

まずはそのメンバの技術を使いたいという勇気ある行動に同意しないのだろうか(もしかしたら書かれていないだけでそうされているのかもしれない)。

それはされているとして、エンジニアであるのだから、その技術で『何を解決するか』を尋ねないのだろうか。

技術は何かしらの課題を解決するためにあるのではないか。その課題を解決するに対価を払いたいと思えるかどうか。これを考えているかを尋ねてみたいと思うのだが。

それで気になったことである。

特定の技術分野に対して、応用事例や運用まで考えてある程度広く浅く日頃からインプットをしておいて、ビジネス的価値が見えたときに「ここぞ」とばかりに自分から提案してコア技術を学べる力があるからこそ技術が仕事になるのです。

そういったアプローチもあるかもしれないけれど、それでは時間がかかり過ぎないだろうか。時間が掛かり過ぎる上に、広く浅い知識に返って縛られて課題を解決する導線を自ら狭めることにならないだろうか。

余計な心配であることはわかっているが。

自分の観測範囲で言えば、知識を多く持てば持つほど、経験を積めば積むほど課題解決のために技術を組み合わせる発想は狭まってしまう。それを再び広げるためには長い時間を費やす。腹落ちするまでに理解し、思考を転換するためには多大な労力を必要とする。

ましてやビジネスケースに持っていくのであれば、それこそ課題解決のためのアイデアを無数に発想しなければ筋の良いアイデアにたどり着けない。

あともう1点。

マネージャやリーダの立場であれば、メンバのやりたい気持ちは伸ばしたいという方向に伸びるように支援をするのがその役割だと考えている。ビジネスとは違い、相入れないのであればそれは無理して同じ仕事をすることは不幸を産むだけである。

言い方を変えれば、当該メンバは目指す音楽性を主張しているのであるから、それを受け入れられるかどうかという岐路に立たされているのである。音楽性の志向が違うまま同じバンドを続けられるか。それは早々に別れた方が良い。

少なくとも生産的な面でも品質的な面でも良いものはできないことは容易に想像できる。

年長者のエンジニアはメンバが志向の話をしてきたら、素直に聞いた方が良い。その上で、自分の考えと違いイラっとしたり、何いっているんだなどと感情を揺さぶられているかどうかを確かめなければならない。

メンバの志向をどう活かせるかを考えられるかどうか。年長者自身がこれからも生き残れるか試されていると自分に自分の人差し指を向けて判断するときなのである。