コミュニケーション力はエラーハンドリングで向上させる
コミュニケーション。プロジェクトの失敗の原因を聞けば『コミュニケーションが』、エンジニアも技術ばかりではなく『コミュニケーション力が必要だ』、広く世間では必要とされるのにコミュニケーション能力がないと『コミュ障』と使われるそれ。
エンジニアが業務や社外で使うコミュニケーションとは何だろうか。
その前に、自分の『コミュニケーション』の解釈はこうである。
コミュニケーションとは意思伝達であり、伝えたい意思の目的に応じて伝える相手にその目的を達成するように働きかける振る舞い。
どうだろうか。
それでコミュニケーションの何を話したいかというと、難しそうだったり、ハードルが高そうだったりするが、実際には達成したい目的をはっきりと認識さえしていればとてもイージーモードなのだ。例をあげながら話を進めよう。
- 仕事で頼みたいことがある
頼みたいことを話す相手にやってもらい期待する結果を得たいという目的がある。相手は関数、APIだと思うことにする。
お作法を守らなければエラーで返ってくる。お作法とは相手を尊敬、仕様を理解した上で接するということである。
こちらが欲しい情報を相手が持っているかもしれないので持っているか尋ねたければ、気持ちよく教えてもらえるように
・聞きたいこと(「◯◯のために教えて欲しいんだけど」)
・背景(必要なら「実はこんなことをしたくて」)
・保険(尋ねた相手が知らなくても知っている人を教えてもらう「知っている人を知らないかな」)
・お礼(「ありがとう」)
- 繋がって今後情報交換したい
カンファレンスや社外の場で繋がっておきたいと思うこともままある。例えばその分野での第一人者とか今をトキメクエンジニアとか。繋がりたいということは相手に認知されたいとうことだ。
名刺交換は持ち合わせていれば交換はできるが名前と顔が紐ずかず忘れられてしまう。平成であるからその場でソーシャルネットワークを利用して繋がっておこう。その前に、声をかけなければそれは実現しないが。
あと、話すネタが必要だ。カンファレンスであれば講演内容に対するレスポンスの意味合いでの疑問、以前に公開されたスライドからの意見。重箱のすみを尋ねるよりは、その先とか言及されていない少しずれた領域を尋ねてみるのも良い。
どう繋がっても、結局は相互にgive and takeの関係を作れなければ自然消滅してしまうが。
・リクエストメッセージを投げる(「◯◯で△をやっている■■です」
・ワーニングを投げる(「講演の◯◯をしないというのは、組織文化に依存すると考えるのですがそれを実現させるために必要な条件は」)
・お礼(「ありがとうございます。ソーシャルで繋がってもいいですか、今ここで繋がっちゃいましょう」)
- 要望をきく
友人や家族に対し自分のやることをついでに必要かを尋ねるケースもままある。こうした普通の会話的なコミュニケーションでも相手の意思を確認することの積み重ねで日常はできている。大げさに捉えればそういうことだ。このことからわかることは、コミュニケーションは日頃から使っているのだ。
例えば最近コーヒーや緑茶を飲みたいと思ったときに、自分で入れるが一緒に飲むかと誘うことが増えたのでそのケースで。
・インフォメーションを投げる(「コーヒー入れるけど入れようか」)
・レスポンスを受信する(「じゃあ入れるね」)
・共有する(「美味しいね」)
仕事を除き、残りの2つは想定外のレスポンスが返ってきても上手にエクセプションを握り潰せば気が楽になる。実はコミュニケーション力をあげるコツはこのエラーハンドリングである。
- お礼(「ありがとうございます。ソーシャルで繋がってもいいですか、今ここで繋がっちゃいましょう」)
- エラーハンドリング(「あー、やってないんですね。ではまた今度」)
- インフォメーションを投げる(「コーヒー入れるけど入れようか」)
- エラーハンドリング(「そう、じゃあ、あとでね」)
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