エンジニアと飲みニケーション不要論
以前から割と書いていることに所属する組織での飲み会は全くもって面白くないのでよほどのことがない限り行かないというのがある。プロジェクトの飲み会はキックオフやメンバに感謝する場にしか行かない。前者は飲み会の会場やイベント自体の面白さがあれば行くこともあるがただの忘年会などには一切行かない。後者はメンバ同士(自分抜き)の方が気兼ねなく会話もできるだろうとも思っている、というのもある。
エンジニアになった頃、先輩たちに誘われて何度となく飲みに行ったものだ。今で言うオラオラ風の先輩エンジニアは『飲み会の場でなら何を言ってもいい』と放言していたので『飲まないと言えないんですか』とツッコミを入れたら『お前はそういう奴か。それならそれでもいいぞ』的な返しがあったことを思い出した。今なら60代になっているだろう。
実は色々と思うところがあって、酒を飲むのをピタリとやめている。理由は色々なのだが、1つは『験担ぎ』ということにしている。どうしてとしつこく聞かれた時の模範解答だ。『受験があるからお迎えがね』とでも言っておけば大体は納得してくれる。実際、お迎えをしているのは事実で嘘ではない。
お客との懇親会が数回あり、その時はどうしたものかと若干迷ったが元々飲まない人もいるのだから飲まない人がひとり増えたところで何も変わらないじゃないか。そう気づいたら何も身構える必要はないのだとわかった。
実際、烏龍茶を飲んているとビールを注がれることもないし、一見、ウイスキーか烏龍ハイを飲んでいるように見えるので思ったより気にしない。こちらは烏龍茶でつぎ返されることはなく、ひたすらついで回れる。
その上、シラフなので会話したい人のところに行って、話したいことをここぞとばかり会話することができる。
あれ、これ本当に酒が必要なのか、と思わなくもない。
Web界隈で多いのがmeetupやビアバッシュで酒を飲みながら語り合い、技術を共有しあい、あわよくば有望なエンジニアを取り込もうというイベントである。登壇しに行くこともあるので時々お邪魔することもある。
Web界隈のmeetupは食事がありきたりではなく、工夫されている会社さんもあって美味しいところもある。酒を飲むのをやめた自分としては、ちょっとだけ美味しいものをつまみながら若いエンジニアの方の話を聞いて、共有できるヒントがあればリンクを渡すようなことができると楽しい。
お酒を飲むことで自分を開放する人もいるようだが、自分はそうでもない(飲みすぎると帰りが大変だからというのもあるが)ので酒のバイアスはあまりかからない。それよりは箸にも棒にも引っかからない酒で仕方なく瓶ビールを流し込みながら話を聞くよりは、烏龍茶を飲みながらそうしたときにしか会話をするチャンスのない人を確保して話をする方が何倍もいい。
そんなことを思うようになってから、コミュニケーションに酒はいらないのではと思うようになった。
違うな。
プロジェクトやチームでコミュニケーションを取るのは業務中にやればいいというかやらなければならないことで、それ自体が業務だと思っている。だから、よく飲みニケーションは潤滑油的な物の言い方をされると業務時間内でやれよ、と思ってしまう。
そういう意味では、組織の中のメンツだけで飲みニケーションするのは業務がおかしいと言ってもいい(meetupはリクルーティングや外部に所属するエンジニアを引っ張り込むので意味が違う)。
マネージャなら業務時間内で必要十分なコミュニケーションを取れるような組織を作らなければいけない。
業務の終わった後、好きに飲むのは好きにしたらいい。それはそれで微笑ましいと思う。