エンジニアが当たり前にできることに価値を見出す人がいることを知る
自分の経験や専門から言えば、当たり前なことしかやっていないし、それに対する評価はあまり高くつけない。だから、それに価値をつけていない。当たり前なことには関心が低いが自分のやりたいことには期待値を自ら高めるので期待値分をかさ上げして高く売れる(価値がある)と無意識に思い込んでしまう。
自分に限ったことかもしれないが『これから何をやりたいか』と問われるとこれをやりたいとは素直に言い返せない。それを言えるほど考えに考え抜いていないから、なのだろう。もちろん、具体的なToDoに落ちてくればあれやらなければ、これをしよう、とスラスラと言えるのに、キャリアや事業となるとモヤっとしてしまう。
じゃあ、やりたいことはどこから持ってきているかと言えば、関心を持っているキーワード群から目に入ったものをつなぎ合わせているか、今やっていることの延長線上でしかない。
そう思うと、起業家や事業をやっている人には敵わない。
ところが、である。
自分としては買って欲しい方ではなく、当たり前でやってきている能力の方に価値を見出して、そのスキルを売って欲しいと言う人が世の中にはいる。すこし先を見ている人は、自分の当たり前に出来るスキルをそのまま買うのではなく、先を考えて買いたいと言う。
仮の話として、キャリアとして10年来、ある特定分野のデリバリーやコンサルをやった経験を持っているとする。この経験は、ごく当たり前にやってきた仕事の経験である。一方、マネージャをやってきたから、開発部門のマネージャやエンジニアの育成に関わる仕事をしていきたいとする。これは経験の延長線上から導き出したものに過ぎない。
これをポートフォリオとして公開する。
今度は自分が買う方になったとする。仮の話の前者と後者でどちらの能力を買いたいと思うだろうか。
どう考えても、確実に出来る方の能力を持ったエンジニアを必要としているなら、前者を買いたいと思うはずだ。後者はやってみたいだから買ったとしてもやれるかどうかは別の話である。
人の採用は一番リスクが高い。であれば、確実に投資に見合う効果を得たい。
であれば、(意識せずに出来る能力なのだから)苦労せず提供できる能力を高く買ってもらった方が良い。
ここから導き出せることには次のことがある。
- あなたが当たり前のように出来ることに価値がある
- 出来ることをポートフォリオで公開する
- やりたいことをポートフォリオで公開する
- 出来ることはその延長線上のずっと先(上)のことをやりたいと書いておく
- 今の2倍の年収を値付けする
今の所属する組織に満足しているなら、その組織へのアピールとして使えばいい。満足していても、市場価値を知るためにエントリしておくことは、自分の価値をどうするかを考える機会になるのでぜひやっておきたい。
重ねておくが、所属を変える必要は全くない。価値があることを知っておこうと言うことである。
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