『この会社で初めて尊敬できる人と仕事できました』と言われて
話ながら、ランチから戻るエスカレータ上で『本当ですよ』と言われたことがある。ご本人は専門職の方なので、ご自分の仕事の能力は素晴らしいのだろうが、着任してから色々とあったようだ。
自分とチームを組むようになって2週間もしないうちに、懸案だったプロジェクトが動き出した(ように見え始めただけだが)ので、鬱積してたものが解消し始めたのかもしれない。
自分としては、そのプロジェクトを含めた業務領域をやって欲しいと依頼を受けたのでそれをやっているのだが、ご本人は現状のチグハグな業務の片棒を担いだと責任を感じているのかもしれない。
専門性を持っていると当たり前だが、専門の知識を持っているから、その専門性から『こうしなければならない』と強く思う。これは自然なことだ。
だが、その専門知識のベストプラクティスを適用しようとする現場は、適用前であるからそれに耐えられる体力も能力も持ち合わせていない。
こうしたプロジェクトでは現場を知っているメンバを入れるから『そのままでは、現場は受け入れられない』とあたかも代理のように、障害になるような意見を言う。
それでも意見を並べて、双方の理解に務め、どこに着地すれば良いか協議できれば良いのだが、そうしたプロジェクトでは得てしてスケジュールの制約を外部から受けたプレッシャで優先が納期になってしまう。
結果、運用できない業務が出来上がり、運用フェーズで自分の首を締めることになる。
そういった状態で入っていくのはとても難しいことではない。
なぜなら、今以上に悪くなる要素が少ないからである。
運用に入っているといってもマイルストーンと外部に依存するスケジュールが決まっているだけで(これも動かせるものもある)、どうにでもなる。
と言うか、課題を設定し、スコープを決め、ToDoに優先順位をつけ、ざっくりとした且つ自分のリソースとあてにできるだろうリソースの半分程度でできるスケジュール感を見切れれば、ひとまずプランニングはできたようなものだ。
ある意味やらかしたご当人たちには不憫な思いをしたんだねと言うスタンス(実際そうだろうし、味方である)でインタビューして背景をその人ごとに見えていた(過去形)風景から得られる情報を手に入れ、補強する。
何一つ魔法は使わないし、魔法を使えるほどの器でもない。やることは当たり前のことをやるだけである。
- 仲間として話す(心理的安全性を提供する)
- 過去の出来事はその発言通り受け止める(否定しない)
- 収集した情報は可視化する(マインドマップなどでMECEに整理する)
- 時期感を可視化する(マイルストーンとして)
- なんでも共有する
- 笑顔で接する
- 主要なステークホルダからもヒヤリングする(本当のニーズの確認)
- できるリソース、時間、スコープを確保する(背水の陣出始めない)
- ランチを一緒に食べる(できれば1回ひとりに絞る)
- 大丈夫だよと安心させる
当たり前のことが当たり前にできない現場が多い。後から入る人が立て直せるのは、第三者の視点を持っている限り、実現可能性は高い。
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