『自分で考え、判断して、行動する』チーム作り

プロジェクトマネージャやリーダが、チームのエンジニアに

『自分で考え、判断して、行動して欲しい』

と思う機会は多いかも知れない。数日前にランチを誘われたマネージャもパフォーマンスが悪いエンジニアのことについて愚痴のようなことを言っていた。

その愚痴のようなことを聞いていたが、『(それはマネージャの仕事のさせ方と育成にどれだけ価値を見出して自分のリソースを割くか、あなた自身が問われているのではないか)』と内心思っていたが本人はそういう感想は求めていないだろうから、そっと胸の内に収めた(ここで書いてしまっては収まってないが)。

プロジェクトの場合、特に立て直しのときのプロジェクトマネージャやリーダエンジニアには、1から10まで指示できるほど余裕はない。情報の整理、リリースする成果物、仕様の再調整、スケジュールの組み直し、外部依存の手配、作業品質の組み直し、直近の段取りと指示で手一杯になる。

そんなことを続けれいられないので、チームとしての組織を立て直す先を見越した仕込みも並行して行わなければ、立て直したはずのチームはリーダ依存症になってしまう。

チームを立て直す際の観点をチームビルディングだけに絞って言えば、

  • 原則と保護
  • 作業プロセスデザイン

だろう。原則と保護は、行動基準(価値観)とそれを遵守している場合はメンバを守るというものだ。言い換えれば、原則からはみ出たら守らないということである。行動基準はエンジニア一人ひとりにインストールしなければならない。そのための必要なリソースは供出する覚悟が必要である。

作業プロセスデザインは、ベースラインとなる業務の仕組みを作り、それでなければ作業が進まないようにする。これなら作業品質を確保できるだろうという仮説であるから、適宜修正を行う前提である、修正の起因はエンジニアの実践によるからそれは目的と結果の観点で受け入れ、アップデートする。こうした更新プロセスをチーム全員の前でやると価値観をエンジニアのものにしやすくする、

ここまでは、立て直しの話である。ここから、自ら考えるチームに変えていく。

施策は1つしかない。

  • 考える時間を物理で作る

立て直しのベースラインができる状況になれば、プロジェクトチームへの信頼は少しでも回復している。約束どおりにリリースし始めているからである。

ジワリとスケジュールの隙間を作り始める。リリースのタイミングで予定が詰まることもあるが、それ以外は作業の隙間を意識的に作るように作業のチケットを取ってもらう。WIP値を下げて恣意的にそうなるようにしてもいい。

隙間時間にやることは、作業プロセスデザインの改善、作業ツールのアップデート、先を見た技術調査などに制限する。ただし、テーマ選びはエンジニアに任せる。

立て直しが進んでいるので計画以上にチケットに着手させない。それを物理で制限するのにWIP値を上手く使う。

作業を前倒して進捗させても時間の価値は、上がらない。計画していることにリソースを使っているからだ。予定どおり、リソースを消化しているだけに過ぎない。

一方、物理的に次の作業に効果があるかもしれないことに時間を使うことは、先々の価値を上げる効果を期待できる。余剰時間を作り、そこから新しい価値を産む。

このアプローチこそ、チームが

『自分で考え、判断して、行動する』

を実現する状態になるのである。

なお実践済みであり、机上の妄想では無い。

 

 

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