令和ちゃんとコミュニケーションコスト

まだ5月だというのに、24日ごろから30度を超える高温である。日中はオフィスに籠っているがランチで外に出ると日差しの強さに夏を感じる。

でも、まだ5月である。

夏は6月から。もう1週間くらい待って欲しい。

ツイッターでは、擬人化した令和に対して、優しくコミュニケーションを取り、気温を下げてもらおうと試みるイラストで溢れている。

面白いもので、人はコミュニケーションが取れない相手を面前にすると、普段よりコミュニケーションコストをふんだんに費やす。

トランプ大統領ではないが、先だって、海外からゲストが来訪したときも、迎える側の準備は相当なもので、滞在中のホスピタリティと言ったら、普段のコミュニケーションとは比べ物にもならなかった。

令和ちゃんも海外のゲストもこちら側の目的があってそれなりにコストを先行させ、目的を達成するために様々なアクションを取る。

ところが、その相手から幼さや、言語の違いが取り除かれた途端、コミュニケーションコストはほとんど掛けなくなる。

何故なのか。

同じチームで、何度もスプリントを回しているとか、同じチームで何件もプロジェクトを経験しているとか、長く、チームの中でのコミュニケーションを取り続けていれば、暗黙知を学習し、次第にコミュニケーションコストを掛けなくてもいいようになる。コンテキストが生成されるので、コミュニケーションに費やすコストは掛けなくても意思疎通できるようになる。

暗黙で日本語が通じると一方的に認識すると、いきなりダイバシティも多様性もすっからかんになっている。

日本語が通じるからと言って、勝手に暗黙知を前提にして、 高コンテキストからコミュニケーションを始めようとするから、おかしくなるのである。

人は見た目で認知する。だから見た目がとかいう。その点から言えば、同じような形や色のスーツを着て仕事をするのは、みんな同じだという意図も少なからずあるだろう。

であれば、個人によってコミュニケーションのプロトコルに違いがあることを見た目から再認識させるためにも、仕事場での服装は制限を設けないほうがコミュニケーションに対する見えない壁を解き、向かい方を変えられるかもしれない。

まあ、暑いので風通しの良い服装をしたいだけなのだが。

 

 

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