組織としてのキャリアデザイン
マネージャのミッションは、ビジネスの目標を分掌の範囲で達成することである。組織目標は成長を求められるが、それを実現するのはエンジニアの成長に寄るところが大きい。マネージャは、エンジニアの成長を促すキャリアパスと成長の機会をデザインしなければならない。
- 症状
エンジニアの目線で見たとき、次の症状があれば要注意である。
・組織、チームにキャリアパスのコンピテンシモデルがない
・チームに業務のロール定義がない
・エンジニアとマネージャの間にキャリアについて話す機会がない - 概念
マネージャは、組織がスケールするもしくは収益が向上するビジネスモデルを構築しなければならない。システム開発のほぼ全体を占めるリソースはエンジニアであるから、ビジネスにシンクロするエンジニアの開発の制度を設計する。 - 問題
・マネージャとエンジニアの共通の評価軸がないと目標設定や評価で物差しが合わない
・キャリアのコンピテンシをデザインしないとエンジニアは求められるエンジニア像をイメージできず、成長戦略を自ら描けない
・エンジニアの主体的な成長は得られない
マネージャは組織目標達成のために結果に注力しがちだが、結果を出すのはエンジニアである。エンジニアが目の前の課題に100%リソースを投下し続けるとエンジニア自身の成長の機会を損失するばかりか、中期的なビジネスの成長の可能性を失う。 - 解決
マネージャはコンピテンシモデルをデザインし、エンジニアに求める人物像とコンピテンシのバンドを明示的に行う。エンジニアはそのコンピテンシの人物像とバンドがエンジニアとしての自己実現のイメージと重なればキャリアを実現する活動に取り組む。