エンジニアの壁

エンジニアとして働くようになってから、ずっと壁だった。30代前半のプロジェクトで今でいうプロジェクト特化型のPMO的なチームに入るまでは。ところどころで、息継ぎ出来る場面もあったけれど、2年目のあるプロジェクトからずっと壁。

実はぼんやりとは分かっていたのだが(過去のエントリにも書いているとおり)、コードを書くことが思いっきりセンスがない。

30代前半の本来であればコードを書く必要のない作業(とは言え何度か繰り返すことが予想された)で、自分を試すつもりでPerlを書いた。モジュールを入れて、ちまちまとテキストエディタで書いて。結果的にはひどいコードを書いた。一部分だけは考えたように処理できていなかったような気がする。最終のアウトプットのおかしい部分を手サブでパッチを当てるように直して、コードを書くのをやめた。

記憶にないが、そのあともちょっとしたバッチとかは書いていたかもしれない。でも、記憶がないのはその程度のものなのだろう。

もう一つ、人間関係の壁というものもあった。これは多分、メンタル的に一番酷くて、激やせ(当社比)した。あれは本当にひどかった。プロジェクトチームでの人間関係の良好さは貴重だと実感して止まない。

エンジニアとしてのバリューをピボットした後は、そうした壁を感じたことはない。多分、ピボットするときに腹を括ったこともあったし、自分で転換したこともあって、少しはやることをやってきたからなのだろう。

壁はハードルくらいになった。壁も跨ぐ必要のないことを覚えた。回り込んだり、潜ったり、壁のない方に向いて走ったりすれば良いのである。

まあ、今では自分で小さな壁を手前に置くようになったので、バカっぽい話ではある。

もし、ご自分でエンジニアとしての壁を感じることがあったら、何が何でも正面突破する必要はないことを知っておくと、少しだけ不安は取り除けるかもしれない。

正面突破するにしろ、他の手段を選ぶにしろ、選択したら意思を持って始末をすることだけはやっておこう。選択するのも、終わらすことも自分の意思でなければならない。

 

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壁 (新潮文庫)

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