ベストプラクティスを銀の弾だと思っているエンジニアは失敗しかしない

そもそも銀の弾という言葉も知らないエンジニアが世の中にはいる。

後者においてはサンプル数は少ないが数人存在確認をしたので、世の中は広いな、と思うし、知っていなければエンジニアとしてやっていけないわけではない(=目の前でエンジニアとして現存しているのだから)。

ベストプラクティスは、経験から得られた効率的な慣習のようなもの(雑すぎる)であるから、特定条件下においてその効率性が得られる手法であることを理解しないといけない。

その前提をおかないから、ベストプラクティスを銀の弾か何かと勘違いして、というよりは楽して導入しようと考えるエンジニアは、ベストプラクティスの話を聞いてすぐ、自分には合わないなどという。

そう返すようなエンジニアは、本心からベストプラクティスを本気で導入しようかを考えているわけではない。本気で課題を解決したいと執着がないから、ベストプラクティスが合わないというエンジニアは現状維持の巣にすぐ引きこもってしまう。

本気でベストプラクティスを導入したいと考えるほどの課題があれば、ベストプラクティスが自分の課題に合うかとは考えない。課題を解決したいなら、ベストプラクティスをどう使えば解決できるかと考える。

アプローチが違うのである。

楽をするために面倒臭い事前知識を得たり、手間を掛けて学習することは少ないことに越したことはないが、何分知らぬ領域に手を出すわけであるから想像する時間よりだいぶか掛かってやることになる。知識を得る時間、理解する時間、課題を解決する方法を考える時間、実際にやってみる時間、定着までの時間。

こうした学習の時間の価値を理解しないと、現状維持、課題先送りということを繰り返し、次第に自分の経験以外の考え方にハードルを感じることを自分から作り出すのである。

あと、そうしたエンジニアは失敗することを恥ずかしいとか無駄だだとかトンチンカンなことだと思っている。課題解決をするつもりがないから、取り組みを最初からハードルを上げて試す機会を作らないし、作ったとしても失敗する方法をためておかないから失敗に終わってしまう。課題解決に至る、つまり取り組みが成功するまで様々なベストプラクティスを取っ替え引っ替えやり続ければ、そもそも失敗にもならない。

第一、課題を解決したいだけなのだから、失敗とか成功とかそんな状況評価のスナップショットなどはなんら価値のないものなのだ。

 

 

 

 

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