エンジニアの辞める組織に対する振る舞いの基本

エンジニアが所蔵する組織を辞めるときいくつか気をつけておいた方が良いことがある。辞めようとしている組織に恨み辛みがあろうが、サラリーの問題であろうが、超過労働であろうが、上司が気に入らないだろうが、世間いや業界は狭いので立つ鳥跡を濁さずで行きたい。

  • 貫徹まで笑顔で
    目的は新しい仕事場で仕事をするサインをして、新しいチャレンジを始める先にある。それを手に入れるために腹立たしいことがおきないようにしたい。
    また、離任する組織に対しても良い印象を残す振る舞いは正しい。これを実現するのは笑顔である。終始笑顔で、些細なことがあっても聞き流す。重要なのは初心を貫徹することである。
  • 社内規程を確認しておく
    従業員規程、就業規則などを読み込み、社内ルールの流れを押さえておく。法的には退職は2週間前までに伝えれば良く、規則も法に沿っている(はず)。
    ただし、退社時の手続きは退社する社員にしか伝えられない。
  • 辞めるスケジュールを立てる
    社内規程を踏まえ、最終退職日(退職手続きの書類にサインし、全ての備品を返却する)、最終出社日(業務上の最後の出社日で翌日から最終退社日までは年休消化)のマイルストーンを立てる。
    もちろん、現場の仕事もあるので引き継ぎで引っ張られないようにしておく。
  • 情報統制を掛ける
    辞めると意思決定すると誰かに話したくなるが、特に旧態なビジネスのSIerでは情報統制を掛ける。
    家族も気をつけること。ワイフに伝えたらママさん繋がりで、などとならないように。
    辞める意思を伝える人を最小限にしておき、どこから流れていくかを観察する。
  • 引き止め
    無能な上司は、バーターな案を出さず、ただただ引き止める。感傷的にショックである、もっと活躍してほしかったなどボケたことをぬかすが聞くふりをしても耳を貸してはいけない。
  • 引き継ぎ
    引き継ぎをすることを考えて仕事をするようなエンジニアではいけない。普段から、自分が担当した仕事は自分のものではないから、成果物、仕掛かりの資料などをプロジェクトフォルダやgithub、bitbucketにあげておく。
    業務も冗長化、つまりエンジェルナンバを下げようと、自身でモブワークやXPを推進しておく。
    この準備をしておけば最短1−2週間で引き継ぎできる。なお、1人プロジェクトは最悪であるが、1人プロジェクトを指示しているのは上司なので上司のスケジュールを押さえて引き継ぎのセレモニを行う。
    どのケースでも1ヶ月以上やってはいけない。
  • 情報の流出
    間違っても、離任する組織の内部情報をごっそり持って行こうなどと思ってはいけない。記録され、あとで面倒ごとにならないように対策する。
  • リファレンスチェック
    転職先のバンド、レベル(職位)が高いとリファレンスチェックが入るケースがある。離任予定の組織に複数名、転職する会社や代行組織から直接電話が入る。その対象者は口が硬くないといけないし、あるがままの自分を話していただかなければいけない。
    つまり、なんでも言い合える知人が必要になる。日頃から腹を割って話せる交友関係の醸成が必要である。ここを悩むような採用候補者を先方が採用したいかと考えればリファレンスチェックが入るのは納得できるだろう。
    リファレンスチェックが入ることは事前に、対面か電話で伝えておくこと。
  • 業界は狭い
    転職先はあなたの持っているいくつもの技術や知見の中からあるスキルを欲しがって採用しているケースがほとんである。そのスキルがジェネラリストのスキルでなければ、専門性を持っている技術となる。
    そうするとその専門性の界隈で付き合い続けることは避けられないから、そうした観点もあると覚えておく。
    これは大丈夫だろうと業界の人に転職の意向を話してしまって、実は上司や同僚と繋がっていた的なことが起きると面倒なためである。
  • 最悪戻ることを想定に入れておく
    複数の転職候補を持っていればいいが、ブラックでなければ、離任する組織も候補に入れておく。組織によっては、出戻りを歓迎するところもある。

これはあくまでも離任する組織に対して、である。