COVID-19とオフラインイベントとリスクマネジメント

先週からの1週間、nCOV(COVID-19)でオフラインイベントが相次いで中止され始めている。所属する組織でも、組織の内外向けに予定していたオフラインイベントの扱いや今後のオフラインイベントについてマネジメントでスピード感を持って議論され、意思決定されている。

 

COVID-19を起因とする組織内外のイベントの開催の意思決定で、安易に中止に流れているとしたら、その組織にはリスクマネジメントの能力がないのと同時に、ビジネスの機会損失を機能していないマネジメントの寄せ集めである可能性があることに気づかなければならない。

 

リスクのマネジメント能力がないということは、リスクを捉える能力も、リスクで最悪の自体が起きたときのインパクトも、リスクがプラスに働くことも、想像することも仮説を立てることもエクスボージャを見積もることもできないということなのだろう。

 

予定していたオフラインイベントがあったとき、取れる選択肢は次のどれかだ。

  • 中止する
  • オフラインで予定どおり行なう
  • オンラインに切り替えて行なう

 

中止はとても楽である。ただし、無償なのであれば。無償のオフラインイベントであれば、

  • 参加者へのお知らせ
  • 会場、外部業者へ費用の負担

だけで済む。

そう思ったら、違う。ビジネスであれば事業上の必要性があるからオンラインイベントを行なっているはずである。それをホイホイと止められるなら、マネジメントは本当に事業上の必要性があるかを問い直さなければいけない。もしかしたら、惰性でやっているのかもしれない。

 

オフラインで予定どおり行なうのであれば、これはこれでリスクの感度が鈍いかもしれないことを疑わなければならない。

  • リスクの識別
  • オフライン開催でのガイドライン
  • 感染症対策のリスト
  • 対策品の手配の可能性
  • 現場スタッフの感度の教育

特に気をつけなければならないのは、現場スタッフの感度の問題である。今まで出席者に対しては、イベントをスムーズに進行することだけしか要請事項としてなかったはずだ。それが、イベント会場において、感染症の対策を出席者に対して例外を作らずに要請しなければならないし、守らない参加者に対しては入場自体断らなければならない。そうしなければ、全てのリスク対策がパーになる。

リスクには次のものが挙げられるだろう。

  • 参加者によるウイルスの持ち込みによるオフライン会場での感染
  • オフラインイベント主催者へ保健所からの陽性患者がいたことの連絡
  • スタッフの罹患

前述の事象が起きたとき、どのようなリスクがイベント主催者に対して生じるかを想像できなければならない。間違っても、うちに限って、うちのイベントに来るひとは大丈夫だ、などと思ってはいけない。そんな都合の良いことは起こらない。

 

予定していたオフラインイベントをオンラインイベントに切り替えられる場合、つまり、オンラインイベントの設備が整っているか、間に合わせることができるならそれに向かって進めればいい。今までオンラインでのイベントの経験が少なければ、相応にリスクを抱えていることを自覚しなければならないし、実際に慣れないことをすると予期せぬ、ではなく予期できないことが起きてイベントを失敗しかねない。

  • 設備の手配
  • スタッフの訓練
  • トラブルシュートできる経験者の確保か許容する覚悟

社内のイベントであればいくら失敗しでもいいだろう。それが社外のイベントでも許容されないのだとしたら、相応のコストを掛けて、様々なトラブルケースを想定して訓練しなければ確実にやらかす。

 

そうしないためにも原理原則と運用設計をできる人が責任者として入らなければならない。その辺にいる一担当に実行させているようであれば…。

 

 

 

 

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