従来型のシステム更改の終焉
事業会社のIT企画部門のエンジニアもSIerの提案するエンジニアも感じていることだと思うのだが、リプレース案件はなかなか組織の稟議が進まない。考えに考え抜いて、付加価値とコストダウンを混ぜ込み、サポート期限に冷や冷やしながら稟議のスタンプラリーをする。
コストカットも万策尽きたところで金融や政府がawsやgcpに移し始めたので、それを論拠にクラウドに移行して固定費の面だけでもコストカットをしたことにする。
さて、次の更改は何を費用対効果の旗印に稟議を回すのか。
もう、従来型のシステム更改、つまり業務の機械化、OA化の焼き直しはお終いなのだと思う。pcやタブレットをダム端末のように使って、業務の手続きを電子化することは。
ここでdxに発想が置き換わらないといけないのだが、相変わらずプロダクトアウトの説明か業務の機械化の焼き直しにしかならない。
IT企画部門の中のエンジニアもそうだし、ベンダーの提案もそんな感じである。
デバイスの種類は増えたし、情報として処理するデータへのアクセス方法も増えているのではないか。
だったら、いちいち業務の手続きをITでなぞる必要はないのではないか。
というか、手続きをなぞっていてはいくらシステム更改をしても生産性が上がるのはシステム側の処理の部分だけであって、人の関わる部分は一向に生産性は上がらない。
生産性を向上させたければ、道具を変えて、それに合わせて手続きを減らさなければならない。
この新型コロナウイルスでのリモートワークで現行システムの使いづらさやリモートワークを想定していない業務がわかったはずだ。
そこがシステム更改の糸口だと思っているのだが、実現できるかは中の人次第である。