ソフトウェアの見積もり
「これどう思う」
そう言いながら手渡された本の目次を眺めてから、掻い摘んで本文を読むと、エンジニアの経験とは大事な価値だなと思った。
どういう意味かというと、その本では顧客側の視点はゼロだし、システムを受託する側としても到底、組織内の見積もりレビューを突破できないだろう。
目次をもう一度見直すと、システムやサービスをローンチするまでの体系的にカバーしようとはしておらず、オムニバス的な標題になっている。つまり、単なる共著、エッセイなのだ。
手元にある本を読んで、見積もりはこれで十分だと思うエンジニアはいないと思うのだが、でも、事業の特性や担当している業務によっては、それで十分と思ってしまうかもしれない。
もちろん、自分もシステムの見積もりを体系的に知っていて、いい感じに見積れるかと問われれば、まだ素人なのでと言ってしまうだろう。なにぶん、システム全体となると見積もるほど知識は持ち合わせていないし、見積もり経験の全くないところもあるし、ある領域は業務からだいぶ離れているので勘がない。
そんな自分でもいくつかの見積もり本を読んで、少しでも見積もりができるように知識を得ようとはしてきた。
システムやサービスを動かすためには、ソフトウェアだけ見積もっても使ってもらえない。見積もりもアプリのコードを作るところだけでは話にならないと素人だから勝手に思っている。
見積もること自体が無理なのだからと見積もる知識を持っていないのと、知った上で見積もることは無駄になるから、小さいタスクをやって、それを基準に相対しようというのは雲泥の差だと思う。
端的に言えば、観点が抜けるのだ。知っていたとしても、見積もりをするときに意識が及ばなければ抜けてしまうのは結果としては同じなのだが。