「○○がないからできない」は○○があってもできない


よく聞く言い訳が「プロジェクトマネージャがいないからその案件はできない」とか「SEリーダがいないからその案件はできない」というもの。


じゃあ、なんで今までプロジェクトマネージャを「育ててこなかったのよ」って聴きたい。「SEリーダが…」というなら、その案件死ぬほどやりたいなら「人を玉突きしてでもできる体制組なさい」っていいたい。


つまり、やらない言い訳しているんだね。


プロジェクトマネージャにしたって、SEリーダにしたって、一夜にしてスキルを身につけられるものじゃない。だから、継続的に成長する機会を与えるのと、日々、伸ばすスキルとレベルを課題として与え、やってみてどうだったかモニタリングしないといけない。


自分が必要とするなら、手間を惜しんではいけないんだ。でも、こっち側のリソースも限られているって言うかもしれない。だから、候補者は選抜をするだよね。選抜をするといっても、こちらの割り当てるリソースを少しだけ多くするといことであって、仕事を手伝うことでもないし、えこひいきするわけでもない。


こちらが気づいた候補者が見落としていることを示唆して気づかせることに時間を割り当てるんです。あれこれ抜けているから「やって」っていうのも違う。どうしてそうなっているかを聞く。段取りに納得できれば放置でいいんです。段取りが抜けていたなら「こういうケースになったらどうするの」と聞いて考えてもらえばいい。


問題なのは、プロジェクトマネージャやSEリーダを育てるマネージャにそういった考えを教えてあげられる人がいるかどうか、と言うことのほうだ。


人を育てる中長期なレンジの課題を設定できないマネージャは、あればあるだけリソースを食いつぶしてしまう。それも、不適材不適所でアサインするから、いや、適材適所という観点を持ち合わせていないんじゃないかと思うようなアサインをやってしまうから。


目の前のビジネスを取ることは大事なこと。理想的なアサイメントと現実がずれてしまうことの方が多い。でも、ずれたアサイメントをするにしても意味づけをすること、つまり、候補者に伸ばすスキルの課題を与えることはできるんだ。


そういう観点からも、中長期の育成を念頭に、継続した育成を現場で続けることがマネージャの仕事なんだ。


これは、システムエンジニアにも言えること。環境がないから、時間がないから、新しい技術が習得できないとか、ステップアップを考えたキャリアプランを自分のコトであっても考え行動しないのは先のマネージャと同じです。


それは「やらない理由」を探しているだけ。やらない理由は何も生まないよ。それより、やってみて失敗したほうが得られるものが多い。「○○がないからできない」よりは「○○はできる可能性はわからないけど少しだけやらせて」と言うほうがいい。