虚空の旅人 でした。

虚空の旅人 (新潮文庫)
これは大変面白く、読みはじめてからあっという間に引き込まれて
しまった。チャグムが皇太子として招かれた隣国サンガルの即位儀
礼で起こる不思議な出来事とたくらみに巻き込まれる話なのだが、
精霊の守り人の話から読んでいると、あの小さなチャグムがこうも
立派になって、公人と私人を使い分ける事が出来るようになってい
たり、やはり熱い情熱は消えていなかったりで、あちらこちらで感
心しながら、ページをめくる。
こころの中で、いつバルサが出てくるのかと思っていた自分がいる
がその期待はあっけなく外された。チャグムはたくましく、冷静な
星読博士のシュガの助けを得ながら、話は進んでしまう。
この本は是非、精霊の守り人から順に読んで欲しい。繰り返しにな
るかもしれないが、幼きチャグムが成長し、彼を取り巻く人物らの
背景を持ちつつこの虚空の旅人を読むほうが、味わい深いことは明
らかだし、ストーリーへの感情移入がスムースだ。
まだ読んでいない人は、是非2009年のはじめに読んで欲しい。