星が少し多い夜

計画停電後、夜間照明が自粛されたためだろう、街並みが暗くなった。
街灯は以前のままだし、計画停電に当たっていなければ少し遅くでも開いている店はあるので、店舗の照明で足元は確保されている。
顔をあげてみれば屋根の上に突き出て、眩しい限りのネオンサインや野外広告を照らしていた眩い光は、今はひっそりとしている。

星が少し多い。

子供のころ、夏休みでであった浜通りの夜空の星々にはかなわないが、それでも3月11日の前より幾分でも「まるで星の数が増えたのではないか」と思わず錯覚してしまう。

もう、ネオンサインや野外広告の明かりはいらない。
身近な街で、あの夏休みにであった浜通りの夜空の星を抱きしめたい。