エンジニアをどう巻き込めば事業者の熱い想いは実現できるか
16−17日の2日間に目黒雅叙園で開催されていたデベロッパーサミット2017の講演スライドが共有されました。
その中で「熱いなぁ」と思ったのがパパンダさんこと市谷さんのスライド。このスライドは若者や現状にストレスを感じているエンジニアを感化させる熱い想い、それを伝える言葉選びがあるなぁ、と。
熱い想いは、事業の立ち上げから継続するための燃料として必要なのは当然のことだと思うのです。ここで市谷さんを取り上げたのは事業者は成したい思いを持っているという事例として取り上げています。
さて、その下で雇用契約を締結して働く従業員はそうした熱い想いを持つことができるのでしょうか。
組織のスケールと熱伝導
メンバを持つマネージャを担うとわかるのですが、事業者の思いを直接受け止め、その多いの熱さを失わずにメンバに伝えることは難しいのです。マネージャが中間層であれば、階層のマネージャが事業者の熱い想いにオリジナリティという添加剤を加味することを繰り返すのと階層を降りるたびに実現するビジネスが具体化され仔細化されることで熱が一気に失われてしまうのです。
企業のスケールは事業者の熱い想いを減衰してしまう性質を持っている、ということになります。だからこそ、少人数のスタートアップや創業期の事業会社であればあるこそ、事業者の熱い想いは事業者の目の届くキャパシティの範囲で届くのです。事業者が思いを伝えられるキャパシティを超えた時点で静かに熱い想いは減衰し始めるのです。
エンジニアが熱い想いを持てる条件
では、雇用者としてのエンジニアに熱い想いを持つことはできないのでしょうか。エンジニアが事業者と同じ熱い想いを持つことができるのは、新規事業の立ち上げのリーダになれれば事業者と同じような成し遂げたいことをあるかどうかに関わっている、と思うのです。単なる雇用者としてのエンジニアと事業者の背負うものは違いますから。
エンジニアは何を代替するか
では、雇用者としてのエンジニアは事業者のような熱い想いを持てない代わりに、何か代替となる何かを持つことができるのでしょうか。
それは、事業者の熱い想いに共感し、ロイヤリティを持つことではないか、と思うのです。言い換えれば、事業者の熱い想いに共感し、それを信じることの代わりにロイヤリティとして行動に反映する、と。
これは事業者に対しての共感を失った瞬間に信じることができなくなり、ロイヤリティを持つことができなくなってしまい、離れてしまうという行為として現れるのです。
ロイヤリティから当事者として巻き込む
事業者と雇用者としてのエンジニアは同じ熱い想いを持つことはできないのです。ただ、事業者の熱い想いを触媒にロイヤリティに変化させ、相互に信頼を共有している間は、エンジニアは事業者の熱い想いを実現するロールを担い続けるでしょう。
一人ひとりのエンジニアが何に対してロイヤリティを得るかは様々ですが、事業者サイドに取り込んでしまう組織のあり方を実現する手段を持っている場合、事業者の熱い想いは最短で伝わることなります。下手な施策を打つよりは、エンジニアをより事業者に近い位置に移すことがロイヤリティ対策としての解なのかもしれません。
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