プロジェクトマネージャの「やりきる」の後ろには、やりきるためのロジックが必要


プロジェクトマネージャの大切な資質のひとつに、「やりきる」というコンピテンシが必要です。それはそうですよね。プロジェクトを導くプロジェクトマネージャが「できるかなぁ」なんて思っていたら、プロジェクトの開発チームに伝わってしまいますからね。第一、プロジェクトマネージャ自身が日頃からそうしたことを口走りますから。


だから、どんなに厳しいスケジュールでも、高い品質目標でも、プロジェクトマネージャが「やりきるんだ」と思い、それを言葉にして開発チームに何度も言い聞かせることがホントにやり切るために必要なアクションのひとつです。


でもね、その「やりきる」というプロジェクトマネージャを見ていると「それじゃだめだろう」と思わざるを得ないときがあるんです。


それは、ただひたすらに「やりきる」としか言わないタイプのプロジェクトマネージャです。


もうね、ただ前進あるのみ、ですから。


例えばね、試験工程で仕様書レビューや試験結果のバグを採取して、分類してまとめるまではやっていても、そのまとめた結果を分析してその工程にフィードバックして品質の弱いところ、つまり、品質的に基準に追いついていない箇所に対する対策を取るとか、作業のプロセスまで考えが回らないんです。


これじゃ、たまたま知っている品質管理をなぞっているだけで、品質管理とは何のためにやるのかを理解できていないというコトを行動で表しているんですよ。これでは、開発チームはただ頑張らされているだけで、そのためにリソースを割いているのに何もリターンがないわけです。アホですか。



こういったタイプのプロジェクトマネージャは、基本的な作業プロセスは改善し続けなければならないということがわかっていないです。だから、何が作業ミスがあっても、チェックリストを追加するとか、もっと気を付けるとか、効果のないことを平気でやるんです。


品質のモニタリングとコントロールは、作業プロセスを検証するもであり、作業プロセスから生じたエラーを品質のモニタリングで検知し、不良の作業プロセスを特定し、恒久対処を施さないといけない。


それをしないでただプロジェクトの納期をまもるために「やりきる」というプロジェクトマネージャは無能ですよ。そんなの言うだけなら、子供でもできる。そんな精神力だけのプロジェクトマネージャにはマネジメントのスキルなんてない。


プロジェクトマネージャの「やりきる」の後ろには、やりきるためのロジックが必要なんですよ。