「電車が遅れているので20分遅れます」

都心の電車は、例えば、4線(東武ーメトロー東急ーみなとみらい)が接続するようになり、埼玉での人身事故が横浜まで影響するようになった。個人的にはターミナル駅での乗り換えは、始発電車で座れるのでそっちの方が好ましいのだが。

以前のエントリで書いたように、自分は早朝の電車に乗っている。幸か不幸か、早朝に不通になっても振替できれば余裕で着くことが出来るし、8時代の運行支障なら影響を受けることはない。出社したメンバが開口一番「人身で再開した電車が激混みで」みたいな話をしても「大変だったね」くらいの感想しかない。各人、自分の都合で現場に間に合うような電車を選んでいるからだ。

これも直行するような出張の場合では話が変わってくる。もう10年も前のことになるが新幹線で数時間の地方都市に朝10時からミーティングすることになった。自分とアーキテクトと若手のエンジニアの3人くらいだったか。

若手エンジニアが集合先の新幹線改札口に集合時間になってもいない。会議があるので到着したメンバだけで客先に行き、会議を始める。会議が始まるまで、アーキテクトに何度か架電させたが会社支給の電話は留守電になるばかりだ。

会議の途中に着信があったようで折り返すと件のエンジニアが済まなそうな声で「今から向かいます」という。「今日は代打をしてもらったのでいいよ」と伝え、電話を切った。

極端な例だが、出張などにそういったことが起きるとただの出張が印象を残すことになる。それに比べたら、日々の電車の遅延なんてどうでもいいことに思える。

 

mainichi.jp

 

これを読む数日前に自分がメンバを守るには何か条件があるのだろうかと30度を超える夜道を歩いていて考えていた。

最初は、色々条件があるのではないかと思ってそれが何か、いくつか思いつくまま思い浮かべてみたが、その条件が本当に守らなければメンバのことを自分が守らなくていいのかと自問をし始めると細々とした条件はどうでもよくなっていくことに気づき始めた。

最後に残ったのはこの2つだけだった。

  1. チームで合意したルールを守ること
  2. 成果を出すこと

1番目は、チームで朝会を10時に始めると決めたなら、それを守らなければルール違反の評価をする。もちろん、突発的な事情があれば10時前に連絡すれば良いなど、運用で緩和する。

2番目は、コミットした成果を出し続けていればいい。コミットを履行できなければ相応の評価をする。

さて、引用した記事をこれに当てはめると自分のチームメンバが電車の遅延で出社が遅れた場合の対処が持ち引き出される。

社員には就業規則が課せられている。9時出社なら、9時から仕事を始めなければ相応の評価をしなければならない。立場的に、就業規則を守ることを求めるし、メンバの突発的な事情も配慮する。

結果としてこういった運用をすることになる。

  1. 始業時間に間に合わなそうであればメッセを入れる

たったこれだけで良い。

組織から支給されているスマホのチャットに『遅延で何分遅れます』といれてくれれば良い。もちろん、遅れる本人が主催の会議があれば話は変わってくる。色々と手配しなけばいけなくなるためだ。これは、遅れるエンジニアの業務の観点である。

もう1つメッセを入れさせる理由がある。労務管理の観点である。出社途中で事故に合えば、労働災害として扱うためだ。こちらは管理職しての責務であるし、遅れているのに連絡がなければ、純粋に何かあったのではないかと心配するのである。

引用の記事で相談している経営者さんは、成果の観点で労働力をみていない。どんなに生産性が低い社員でも9時から長時間残業してくれれば良いのである。そんな昭和の時代は終わっている。合意した成果をコミットした日にリリースしてくれればいいじゃないか。

 

 

 

 

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