プロセスを作ろう、プロセスは変えよう


プロセスはあなたを楽にするもの
子どもの行動を見ていると、「自転車の鍵がない〜!」とか「suicaどこ置いたか知らない?」ってママだか誰とはなしに大きな声で助けを求めているんだけど、どうしてこうも毎日同じ行動を取るのか不思議と言うか、面白くてたまらないんですよ。


日常生活に“プロセス”なんて言う言葉は大げさで、不釣り合いなように思うかもしれないけれど、そんなことないです。自分の行動をあるルールに沿って振る舞うだけの話です。“自転車の鍵は、玄関のトレーに置く”とか“suicaはバッグの内側に入れ戻す”とか。このプロセスを守るのは“自分”であって、他の人は登場人物として出てきません。なので、自分だけがこのルールに順じます。


このルールでは、自分に一つだけ行動を制御させることになります。それは、毎日家に帰ってきたら“自転車の鍵を玄関のトレーに置く”や“駅の改札を出たら、suicaをバッグの内側に仕舞う”という行動を強いることです。


このルールを守る自分にとって何がメリットかと言えば、それは毎日“鍵を探すムダな時間をなくせること”や“部屋中をsuicaを探しまくったりママに『何時も片付けなさいと言っているでしょ』と怒られることがなくなること”です。


このルールを守るために支払うコストとメリットで得られる探さなくて済むので得られる時間はどっちが価値があるかを天秤で量ればよいのです。これはルールを作ることで日々自分自身で作っているムダを排除するという“カイゼン”なのです。で、ルールでカイゼンすると楽になりませんか。


プロセスは変えるもの
自転車がスクータに、ハタマタ自動車に変われば鍵の大きさが変わります。モノ、自転車の値段とスクータや自動車の値段は全然桁が違いますから、そんな価値の高いものを玄関のトレーに置くのは不用心と思い始めるかもしれません。suicaを持ち運ぶバッグもリュックからトートバックに変わるかもしれません。時間とともに、環境はプロセスであるルールを置き去りに変わっていくものです。


そして、今まで自分一人が使ってきた自転車が車に変わる途端、利用者は自分の他に家族が使うようになることだってあります。自分が決めたるルールで自分が管理下に置いていたモノが、時間とともに変化したり、自分だけが登場人物であったコトに新しい人物が登場してきたりするのは、世界が自分一人ではないことを端的に表しているのであって、自分自身は変わらないつもりでも、周りが勝手に変化していくことだってあるのだということを知る機会なのです。


自分と鍵とトレー、自分とsuicaとバッグ、これを取り巻く環境が変化したなら、変化に応じたルールを変えましょう。だって、前のままでルールを運用するのにはリスクや勝手が悪くなるのは予見できるのですから。自転車から自動車になって高価になった交通手段のキーは安全な場所に置きたいものです。なぜなら、それをなくしたら、失う価値がルールを変えるコストより“高くつく”からです。suicaとバッグのどこに仕舞うかも同じです。


ルールを決める。ルールで運用する。ルールを変える。ルールを捨てる。


プロセスを作ろう、プロセスは変えよう。