プロジェクトマネージャは慮って判断を変えることもある


“Aしかない”ネタがそれなりに盛り上がっているようですが、アレを読んで、


「判断する立場によってはいろいろと判断に至る前提とか状況とかcriteriaとかがあるじゃん?」


って思って元ネタには“はてぶ”しなかったんですよ。はてぶはしなかったけどアンテナに入れたサイトはありますけどね。元ネタは役割がどれでとかなかった気がする(もう忘れた)ので、“仕事をする人として”だと思うんですが、身近なところだとプロジェクトマネージャやマネージャがメンバが期待するタイミングで期待する結果を伴った判断をしないことが起きるとフラストしちゃいますよね。でも、ホント、そんなにな〜んにも考えていなくて判断していないの?っていうのに対して、「いやいや、そんなことないでしょ。」って思うわけです。「いやいや、そんなことあるんですよ。」って言われちゃったら、「暫し耐えるか、組織の中での身の振り方を考えるかした方がいいかも。」って思っちゃいますけど。


プロジェクトマネージャは“判断”する
てなわけでプロジェクトマネージャで考えてみると、そりゃ、判断しますよ。当然です。課題とか課題がクラスチェンジしてリスクになったとか、エンジニアのリソース計画とかスケジュールとか。プロジェクトの規模によってすべてに目を通してプロジェクトマネージャ自身が判断することもあるし、事前にSEリーダが結論まで整理してそれを承認するとかリジェクトするだとか。もう、判断の連続です。些細なことから、「うぇ〜」ってなることまで。


そういった最終判断という“行為だけ”を取り出せば判断するんですよ。だれだって。で、その判断の早い、遅いならまだしも、変わることが起きると周りが右往左往するので、当事者にとっては困った問題になったりするわけです。はい。


タイミングや判断が変わることを棚に上げれば、プロジェクトマネージャは判断している。もし、いくら要求しても判断しないのであればそれはプロジェクトマネージャの不作為だし、そんなことならデレゲートしてプロジェクトを動かすように動いた方がいい。行動前に事前承認をもらう形で否認されていないというエビデンス作りは必須ですけど。


判断が変わることは悪いことか
メンバの立場になったら、プロジェクトマネージャの判断が変わるということは、作業のスコープや手順や納期にモロにインパクトを与えることになるので勘弁してほしいと思うのが普通な感情かもしれません。でも、プロジェクトを取り巻く状況や周りの進捗の結果による外部からの影響、扱っているパッケージの制限などから、そのときは“そう”判断したかもしれないけれどプロジェクトが進展したときに再評価をしてみたら以前の判断では拙いとわかることだってあるんです。


メンバは良くバグが出ると期限までに直せばいいと思っているけれど、プロジェクトマネージャは影響する工程への遡及を考えると、できれば仕様をもう少し詰めたり確認したりしながら進めてバグは少ない方がうれしいと思うけれど、実際はそうならないときに事実として感じる感覚が、プロジェクトマネージャが判断を変えたりすることがメンバにインパクトを与えることと同じなんじゃないかなって思うんですけど。


ワタシ的に、判断はスナップショットなんだと思うんです。その時々に得られる情報の元、プロジェクトのスコープの実現に向けた判断をするのだと。


フラストさせない判断はあるのか
いづれの立場においても、話を考えるのが面倒なのでプロジェクトマネージャが判断を変えることについて考えると、その判断を“変えることに至った経緯とと判断基準”が見えないからただ不満に感じるのではないかと思うんですよ。


プロジェクトの情報は、ロールに見合った情報提供はされて当然だと思うんです。それは、教えてあげれる情報はロールを担当する人にしか教えられないということです。need to knowですね。


なので、話してよいロールに応じて情報の出し方はコントロールしないといけないですが、それをする前提としても、判断するときに判断する課題と判断するための情報と何を大切に思って判断するかという基準を頭の中で思考した結果だけを話すのではなく、その判断に至った理由を解説してあげたらいいのだと思うんです。


これですよ、これ。


プロジェクトメンバへはプロジェクトマネージャの判断の共感してもらう
これ、実際やっているんですけどこの行為は説得にはならないんですね。命令すればいいじゃんだと、プロジェクトメンバが自立して運営させたいときに彼ら自身で情報を集めたり、判断基準を設けたり、その条件下で彼らなりの判断をするという姿にたどり着けなくなるんですね。それはそれで問題です。チームは自立して自律することが良い姿なのですから。


影響を受けるメンバを“説得”するのは相手がメリットがなければしてくれないものですから厄介なものですが、判断に至った経緯を話すことは、プロジェクトマネージャの価値観の共有になるので共感してくれやすいんです。「あぁ、そういう情報下なら、そう判断して当然ですよね。」って。


ということで、プロジェクトマネージャのみなさんは、少し、物事の判断をしているときに脳内でつぶやいている判断の経過を言葉で目の前にいるメンバにツィートしてみたらどうでしょう。
#ツィートしすぎると危ない人になるので注意が必要ですけどネ。