プロジェクトルームを散らかしたままのチームにはプロジェクトは任せられない
これも、とあるプロジェクトのサポートに入ったときのことです。サポートというか、そのあと、挿げ替えてしまったので則りと言えばそうなのかもしれないし、いやいや替えたのはワタシじゃないし。まぁ、どっちでもいいですけど。
彼のとあるプロジェクトはプロジェクトルームが確保されていて、セキュリティゲートを通過できるように登録してもらって入ったら……、
「(きたねぇ……。)」
LANケーブルはどれがプロジェクト専用のケーブルなのか分からないほどいろいろな色のケーブルが絡まっているし、誰も座っていない机の上には空き缶やペットボトルがそのままだ。ましてや机ごとに置いていあるゴミ箱にはゴミがまるで溢れんばかりの山の様だよ……。
何かもうわかった気がする。いや、人は、じゃなくてプロジェクトは部屋の綺麗さで判断してはいけないんだ。タスクや課題がコントロールされていて、ドキュメントなどの資料もリポジトリに集められていているなら……。
無理でした。
人は見た目が9割とか言うけれど、プロジェクトもプロジェクトルームが汚いより綺麗な方がコントロールされている。
汚いプロジェクトルームと綺麗なプロジェクトルーム
これ、想像する人の散らかしているという状況の差異はあるだろうし、言葉だけでみたらゴミ溜めのように思えるかもしれないけれど、まぁ、こんな状況でした。ワタシ的には耐えられませんでした。
机の上 | 机上にコンビニの袋、空き缶、ペットボトルがそのままになっている | 不在時は何もでていない |
机の足元 | 誰も使わないケーブルやハブが散らかっている | ケーブルは必要な分だけ。長いケーブルはまとめてある |
ゴミ箱 | ゴミ箱には捨てるけど誰もダストコーナに捨てに行かない | 1日1回は捨てに行く |
ホワイトボード | いつ書いたものかわからないメモがそのまま | 使い終わったら消している |
備品 | 使いっぱなし | 使ったら元に戻している |
このほかにもあったけれど、パッと見えるところだけ書き並べても、
「(こんなところで気持ちよく働けるわけない!)」
と思ったね。
日々、汚れた、散らかった部屋で仕事をして、いくら「シンプルでわかりやすい設計書を書いて欲しい」とメンバに言っても伝わると思うだろうか。直接、毎日、目で触れている雑然とした環境に慣れてしまっていては、PCの中にあって、直接触れることのない不正確で言葉の乱れたドキュメントに対して注意が払われるだろうか。パラメータシートのその設定値が正しいかどうか確認できるのだろうか。
直接触れる環境は、その環境下で直接的にも間接的に観るモノに対する感覚を鈍くしてしまうものだ、と思うんだ。プロジェクトルームに入っても、
「(散らかっているな。)」
と思えばまだいい方で、それが“普通”になってしまった眼にはもう直接触れるモノも間接的に触れるモノも何も感じ得なくなってしまう。もう、環境からの異質な予兆を捕らえることはできなくなってしまうんだ。
自分の基準と直接触れる現実の差異を捕らえる
自分の仕事の席や自宅の部屋は片付いているのだとするなら、プロジェクトルームが散らかっていることを見てそのまま何も感じ得なくてよいのだろうか。素直に自分で感じることを受け止めるべきなのではないか。そう思うんだよ。
自分自身で感じること。プロジェクトルームが汚れていると思ったら、そう思ったのだから、そうあってはいけないと思っているんだね。ならあるべき姿にすることが一人で、ちょっとしたことで解消できるなら、次の行動に移すべきなんだよ。
片付いている席と散らかっているプロジェクトルーム。差異を感じるならそれは暗黙で自分に対してストレスを与えているんだ。それを放置するということは、自分の素直な基準を持っているその感覚を“鈍く”していくんだ。
そのままでいいのだろうか。
散らかっている、汚れているということは自ら手間を増やす
貴方が仕事はシンプルに、簡素に、手間を少なく、省エネで、と思っているなら、席や引き出しは片付いているだろう。PCのHDDのディレクトリでさえ、必要なものが何時でも辿り着けるように整理されているんだろう。
逆に言えば机の上に資料が雑然と置かれているなら、HDDのディレクトリが整理されていないなら、“探す”という作業だけで何分も時間を無駄に掛けているということをしていることになるんだ。
自分一人がそんなことをしていたとして、それがプロジェクトチームで、メンバ全員が同じようなことをしていたら期待するパフォーマンスが出ると思う?思わないよね。多分、期待するパフォーマンスの50%も出ていれば大したもんだと思うよ。
貴方がプロジェクトマネージャなら、
「それでいいの?」
ってことです。
で?
週末に片付けたい仕事があったので、それをやりにプロジェクトルームに行ってそれを片付け終わって次にしたことは、部屋の掃除、一人でできる範囲でのレイアウト変更だった。
- LANケーブルは必要なだけ。色を揃える。長いものは巻く。
- 一人用のゴミ箱は撤去。ゴミが出たら都度捨ててもらう。
- ホワイトボードはカメラでキャプチャして印刷して、きれいに消す。
- 机を拭く。雑巾と掃除用スプレーを置く。
- 備品は集める。
そして月曜日を迎えるんだ。期待するパフォーマンスを出してもらわなければ。