考え方を変えさせようとしても変えられないから、そうしないと仕事を進まないしくみに変えるのである


プロジェクトチームの仕事の仕方は日々の運営や手段を変えることで変えられるものです。例えば、excelやMS ProjectでWBSを作ってタスクのアサイン、進捗の管理をするやり方から、カンバンとtracやRedmaineのようなチケットシステムでタスクのアサイン、進捗の管理を変えるように。


人は経験したモノしか受けれいない
それは、管理の手段を新しいツールで代替させているから何ですね。Aで実現していたことをBというツールに取り替えてやっているだけ。だから、Bというツールを使うことに移行出来れば何ら問題もなくAでやっていたことをBでやることが出来るわけです。


そうは言っても、慣れ親しんだAというツールからやったことがないBというツールに取り換えることはBに替えるメリット、若しくは、強制が働かないと人は変わらないのも確かです。とは言え、プロジェクトチームの日々の運営で使うものですから良いも悪いもないと思うのですが意外とメンバによっては今アサインされたプロジェクトでの運営なのに、自分が過去に経験してきた運営のツールしか知らないので抵抗をしたりします。ワタシなんて新しいやり方なんてやれってみてから良いのか良くないのか「判断すればいいじゃん?」っておもちゃい思っちゃいますけどねぇ。


チームのルールを定着させるにもいろいろ大変
まだ、そういった日々のプロジェクトを運営するツールの導入はプロジェクトマネージャが腹を括ってトップダウンで導入して毎日運営が回っているか試行錯誤も含めて小まめに見ることで定着に至ることは可能だと思っているし、実際そうやらないとチームのメンバには定着しないんですよね。


プロジェクトの日程が短期の場合でも、プロジェクトチームを維持している間は何等かしかのチームの運営ルールに沿って運営しなければプロジェクトマネージャが思い描くようにはチームを操舵することはできないんですよね。だから、どうやりたいか、どう動いて欲しいかをルールなりツールを当て嵌めてメンバの行動をそのプロジェクトとして再教育しなければならないんです。


なぜそうしたいかを話すことは大事なことです
それでもチームに参画してくるメンバはそうしたプロジェクトマネージャとして考えて、やろうとしている気持ちは知らないわけで、過去の成功体験だけで物事を判断して口に出してきたり、違うやり方が言うんです。


もう、そうなってしまうとツイツイ感情的に話してしまいがちになったりしますがそこはグッと堪えてないといけない。だって、メンバはプロジェクトマネージャではありませんからね。プロジェクトマネージャの気持ちも狙いも1ミリも1グラムも知りはしない。いや、知りようがないんですよ。


だから、ちゃんと“なぜそう運営したいのか”を話すしかないんです。話すのも一度きりではダメです。何度も話します。黙っていてもその運営のルールで回るまで。


毎日ソレを話す、毎日ソレを見る
それも話すだけでも足らないです。日々、メンバの視界に入るところに2-3メートル離れても読める大きさで貼っておく。そして、朝会やミーティングのときに定着するまでそれを意識的に指示すのです。


ワタシはそうしたプロジェクトの運営のルールをカンバンに貼って朝会の進捗の前日の実績を教えてもらうときに、プロジェクトとの運営ルールに沿っているかを確認するようにしています。朝会は毎日やるし、一人ひとり実績、予定、困っていることを訊くので、そのタスクごとに、話す人毎に繰り返し訊くことだってありました。ルール通りにやっているか、と。


それでもやっぱりプロジェクトの運営ルールが定着するには時間が掛かります。工程の進行でタスクのボリュームにより人の出入りがあればやっぱりというか想像のとおりに運営ルールを守る度合いが下がります。それはそうですよね。新しい人が増えたら、又、一から教えないとプロジェクトマネージャの思うようにメンバは動いてくれないのですから。


思い、狙いを話す、話す言葉は目に見える形に変える。そして、日々、刻々と機会があるたびにそれを指して一緒に見る。


変えないことと変えること
その手間のかかるプロジェクトチームのメンバへの刷り込みを楽にするには、作業の手順にそれを組み込んでおくんです。それをやらないと前に進めないようにしておく。やらないとそのタスクが進まない、終わらない、のであれば、そんな環境ならやってくれます。


でも、そうでもしないと得られないものもあるんです。作業品質の確保の観点でのエビデンスの確保というのが。特に、作業トラブルとしての再発防止のようなものはそうしたしくみとして取り入れないとダメなんですよ。


往々にして、人は話せばわかってくれるとか、お願いすればお願いしたとおりにやってくれると思うものです。しかし、そうならないことの方が多いのではありませんか。僧なんですよ、相手の考えをたかがお願いしたくらいで変えられると思う方が間違いなんですよ。外からの想いで変えられません。そこを全ての考えの基本にしてしくみに落としていくのです。


変えるのは人ではなくしくみなのです。