リスクはオトモダチ


プロジェクトの月例報告などの場とかに参加しているときとか、自分が報告している場とかで、レビューアかアドバイザリーの人が思い出したように「リスク管理はどうなっているか?」なんていうことがあるじゃないですか。ないです?
#あることにしておきましょう、話が進まないので。


そういった“思い出したように”言う人の話は碌なことがないですよね。増してや、何かこう資料とか報告の補足説明で、とかではなくて“思い出したように”ですからね。見当はずれもいいことを言い出しかねないし、場合によってはその人の思い付きの発言を聴くのは時間の無駄、なんてフラグが立っているかもしれないですけど。


ただ、それにしても当の本人は良かれと思って発言するからタチが悪い。無意識に罪を犯すタイプと言えば言い過ぎかどうかはあるかもしれないですけれど。でもやっぱり問題なことが多い。


そんな人も含め、プロジェクトのリスクの話になると、よくよくプロジェクトの内情も知りもしないで上っ面だけで「アレはどうなっている?」とか「コレはなぜこうなっている?」とか言うわけです。


まぁね、報告する側のプロジェクトマネージャで真面にリスクマネジメントを理解して、担うプロジェクトのリスクをコントロールできている人は少ないですもの。だからどっちもどっち、なんですけど。


オトモダチだから上手に付き合おう
オトモダチには様々なタイプがいますね。同じ趣味のクラスタだとか、単なる知り合いだとか、同じクラスの同級生だとか、親友だとか。それはこちらがどう付き合おうか自分の価値判断を持って自分なりに上手に付き合い分けようとしているんですね。


同じようにリスクにだって色々な対処の仕方があるのです。一つひとつのリスクに対してリスクの素性を計って自分のというよりはプロジェクトに対するインパクトを慮ってどう付き合うかを決めればよいのですよ。


勿論、初めておつきあいする友達といつも上手に付き合いができるとは限らないですよね。試行錯誤しながら最初に思っていたような人柄だったのか、それとも全然違う人だったのか。リスクだって同じです。蓋を開けてみたら意外とたいしたことがなかったり、その逆だったり。友達もリスクも付き合わないと自分に対して同インパクトを与えるのか影響を及ぼすのかわからないんです。ただ、友達かどうか、プロジェクトのリスクかどうかは判別できるんですよ。


計画を妨げるコトは何んだろう
プロジェクトでは前提条件や制約事項の中で計画を立ててゴールに到達するための計画を立てます。リスクはその計画を思ったように進ませない落とし穴だったり、途上の障害物だったりとイメージすれば大体あっています。リスクは認知することからアクションが始まります。それは逆に言えば、認知出来なければ対処の仕様がないということです。だから、プロジェクトマネージャがどんなふうにプロジェクトをキャリーするか具体的な計画と想定がないとリスクの認知、識別の仕様がありません。リスクは、ソコからスタートです。


それが起きたらどうなるの?
多くのエンジニアはプロジェクトマネージャを含めて、自分が想定したことは無垢な気持ちですべてが思ったように実現すると思っていることが多いのは頭の上に初春のように花飾りが載っているからではないです。最悪なケースを想定する想像力がないからです。


リスクをオトモダチにするなら、それが起きたら「最悪だ!」というケースを想像しなければいけない。


プロジェクトの進捗を妨げること。プロジェクトマネージャ自身に起きたら困ること。プロジェクトメンバに起きたら困ること。顧客に起きたら困ること。はては地球に起きたらプロジェクトにとって困ること。いや、地球に起きたら困ることはデスマならかえってうれしいことか?


それ、どのくらい起きそう?
そのプロジェクトに起きたら最悪のケースだ、と思い想像したコトはどのくらい現実に起きるのだろう。


地球が、なんてほとんどないよね。生きているうちは。
でも、プロジェクトチームのメンバに起きることは?
プロジェクトマネージャに起きることは?
プロジェクトのアウトプットの心配のタネは?


それが起きたらどのくらいリカバリに手間取りそう?
ソレが起きたら困ることのソレを並べる。次に、ソレが現実に起きそうかを夫々の隣に並べる。それを掛ける。それが現実に起きたときに掛かる手間賃なんですよ。
#知ってた?


じゃあ、ソレの手間賃とソレを回避したり、ソレが出てきても何ともないように対処しておくための対抗する手段の手間賃の算盤をはじいてみよう。どっちが高くつくか。どっちが面倒か。どっちがメンタル的につらいか。


そうした手続きを経て初めて“識別できたリスクだけ”コントロールできる手段が揃うんだよね。それのどっちを選ぶかはプロジェクトマネージャが判断すればいい。


リスクを持ち出す人には打ち返せ
リスクの識別の手続きまで辿り着いていれば、勿論、地球がーみたいな「リスクが起きても問題ないね。」は受容すると判断したものは放置して、それ以外のリスクは付き合い方を選んでおけば、あとは都度リスクを再評価するという手続きを繰り返せばいいんだよ。


だから、月例報告の場で思い出したようにリスクを持ち出してきたらほとんどは打ち返すことが出来るはずだ。その思い出したように思い出したようなリスクは前提がオカシイ、とか、それは手を打ってある、とか。


それでも、ほとんど、と限定したように識別出来ないことを気付いてくれる人もいる。だから、話しだけは謙虚に聞く耳を持っておこう。ホントにそうだったらめっけものじゃないか。ね。