オンライン男とバッチ女
我が家の話なんですが。
で、「何に?」と思うでしょうけど、大した話じゃないんですよ。期待はせずに。
食事のあとの洗い物ですね。
ワタシがワイフと結婚して、「そういうものなんだなぁ。」と腹落ちするまでにとても時間を掛けたことがあって。
「いくら結婚したからと言って、
同じ屋根の下で暮らすようになったからと言って、
同じものを見ているハズなのに同じようには見えていない。」
ということに気づくまでに随分と掛かりました。こんなこと、とーっても当たり前なことなんですが、頭では理解していたはずのことがワタシの頭の中では端端で「同じように見えていない」ということを飛ばして思考しているんですよ。この飛ばして試行してしまうギャップを乗り越えるのがとっても時間がかかった。
具体的な例で考えます。食事を作りますね。で、食べ終わったら下げたり洗ったりすることが予定としてあるわけですが、そこからの対応がワタシとワイフと違う。ワタシは、さっさと下げてテーブルの上は付近で拭きなおしてしまいたい。下げた食器は、食洗機に緻密に並べて回してしまいたい。我が家の食洗機は1回が10分もかからないくらい早いので、終わったら布巾で拭いて食器の種類ごとにまとめておいて一定量がたまったら食器棚へしまってしまいたい。で、兎に角、洗い物を終わらそうとするんです。
ワタシ好きなんですよ。綺麗になるのが。使った後の食器を拭いて収納して食器棚に収まるのが。何て言うんですか、こう、アウトプットされるのが実感できるんですよね。バカですね。バカなので、カトラリーとかも同じ種類がまとまるようにしたり、同じカトラリーは向きを揃えたり。
片や、ワイフは、ゆっくり食事をされます。食事がすんでも子供と会話をしているなら会話を優先します。一区切りついてから少しずつ食器を下げつつ、他の家事があれば途中で対応したりしながら、キッチンに下げるんです。食洗機に食器を入れるときは余裕を持って入れますし、場合によっては手洗いで食器を洗うなど手段の併用もされているようです。
我が家の食洗機は洗うところまで、です。だから、終わると熱湯で温かいので食洗機に入れたままにしておけば立てかけてある状態なので自然乾燥します。でも、それでは次が洗えないのでセルロースのマットに置くのですが、ワイフは布巾で拭かずにおくのです。あとはこの繰り返し。
こうしてみると、ワイフの方が余裕を持って適度に作業をためつつ処理しているので「いいんじゃないの?」なんて思ったりしてきたのは内緒ですが。
ワタシは食事というイベントの切り替えで処理するのでオンラインとと呼ぶことにして、ワイフの処理はある程度作業を溜めて処理するのでバッチと呼ぶことにして。
こうした違いを思考のギャップを、それぞれが持つ価値観の違い、とするととってもしっくりするなぁ、と最近気づいてからとても楽になりました。だって情がないじゃないですか、価値観が違うんだから。でも受けれられる。さっさとやりたければ、自分の価値感を優先したければ、自分でやってしまえばいい。それよりやってしまうことで食洗機のアウトプットを実感できるし。バカですけど。
あぁ、たかだか食器洗いだけでこれだもの。お互いを理解するなんて、おこがましいことこの上ないのではないのですかね。それともワタシの器量が狭いからなのか。こうしたことを知るだけで、実は結婚しても「ワイフについてほとんど知らないものだなぁ。」と胸をナイフでえぐり返すようなしょうもないことを思い返してみたり。
そう言えばよく言われることで、女性が何か相談してきたら「相槌を打ってあげるだけでいい。」と。決して「解決策を言ってはいけない。」と。解決策はあくまでも「策を求められたら。」と。
これでも、ワイフに何度か怒られました。
「聴いてくれればいいの。」
「聴いて欲しいだけなの。」
このコツを会得するまでがまた、遠い道のりでした。ワタシが何か言おうものなら、子どもとワイフが一緒になって「そんな意見きたいしていないよー。」ビーム光線を出すわけです。で「しまった。」と。汗汗。
そうしたご指導やら他の切っ掛けがあって、兎に角、「そうなんだー。」と一見関心がないようなbotのような返答を覚えるようにしてたものです。これが意外といいわけです。ワイフにとっては。
「んーん、何なに?」
「へーそうなんだー。」
「いいねー。」
女子力上がりますよー。オジサンですが。ネカマじゃないけどさー。で、この前そんな感じで答えることが自然とできたようで、そんなふうにやり取りしたら、
「今の返事よかったー!!」
「ワタシ的にすごくうれしかった!」
です、と。「(ほっ?)」「(何?)」「(何がよかったんだ?)」と内心思いましたがここでも
「そうだった?」
「よかったー!」
みたいに返答がうまく出来てよかったかと。
で、こうしたスキルの向上は、職場で大変役に立ちます。もちろん、女性にね。