システムエンジニアが育たないとマネージャは危機感を持っているが育たないその本質をわかっていない

所属する組織に関わらず外部の勉強会でもマネージャの人に「今抱えている問題は何か。」とイギリス人が天候を話してアイスブレークするような風に尋ねてみると「若手や次世代が思うように育たない。」と露呈するケースが多いです。冗談なしに、部下の育成で悩みを持っているマネージャに割と出会うのでサンプル数は少ないけれど全体を占める割合は相当だと思うのです。


でも、若手や次世代の育成って今始まった話じゃなくて、組織が継続しているならいつでもついてくる課題ですよね。組織は人が取りまわすのだから、そのときどきに必要なロールに必要な人員が供給されていないと組織の活動に支障が出るのは当たり前なことです。


じゃあ、その当たり前のいわば日常にある課題を解決する取り組みで何をやっているのか、って感じですよ。もし、その組織にあっているはずの育成をしているにもかかわらず、若手や次世代がすくすくと育っていないなら、何か間違いがあるに違いありません。


ワタシは、マネージャの課題に対するいくつかの認識が間違っているのではないか、と思うのです。


若手や次世代の育成が育たないのは誰の課題か
若手や次世代が育たないと嘆くマネージャはこういうんです。

「育ってくれない。」


その育たない、と言う言い方には育たない原因は「若手や次世代」にあると言っているようにしか思えません。すべての育たない責は「若手や次世代」のせいでしょうか。


若手や次世代を育む時間の単位が違う
これまで年功序列という枠組みの中で多くの世代から少数の若手や次世代の成り手を寄ってたかって関わり、強制的に仕事を覚えさせたり背中をみせたり、本人が何度も失敗しても考えられる時間軸の中で涵養していたことを忘れているんじゃないでしょうか。


分散技術だって、最初から今のように技術が出来上がっていたわけではなく、たかが20年前にエンジニア自身が時間を掛けて試行錯誤し、技術を学び、習得していっただけの話です。それこそ当時は進捗なんて週次でやっていれば十分で、そもそもちゃんと進捗管理何てしていなかったことの方が多いし、アジャイルのように毎朝朝会とか理想時間でタスクを見積もって、とかとは時間の進み方の単位が違ったんですよ。


年功序列の中では経験値で育成できた
色々な世代がいる年功序列の人の輪の中ではすべてが人が生き字引であったんです。そうした生き字引の中ではぐくまれれば、経験値を背景とした暗黙知の中で育成されていたということです。


その価値観の世界では、出来たという経験値が幅を利かせるから経験を持つシニア層から授けることで育成が事足りたわけです。


若手や次世代を取り巻く今は
今マネージャが若手や次世代の育成で悩んでいると言っても、それは自分の育ってきた環境やしくみを棚に上げた上での悩みなのではないか、と思うんです。つまり、悩んでいることの様々な条件設定が間違っている、のではないか、いや、間違っていると思いますよ。


今、育成で悩んでいるなら、それはマネージャ自身が今の環境で自分自身を育成しようとしても確実にスタックするに違いないです。だって、育成が若手や次世代のものならその若手や次世代にマネージャが置き換わっても自分の問題として解決しなければならない、ってことですから。


そして、自分が育まれた環境とは全く違う環境下でも若手や次世代自身で育成できるものだと思っているのだから、マネージャがその環境におかれても自分ですくすく育つ、と言うことです。


でも、マネージャさん、あなた、まだ、今の環境下で自分を育む経験値を持っていないですよ。大丈夫ですか。サポートしてくれる周りの先輩やシニア層はいないんですよ。


と言うことは、今の若手や次世代を育成する条件とマネージャが自分が育ってきた条件と違うことを認識した上で、育成を構築しなければならないんです。


ワタシはひとを育てるのは仕事であって、タレント性を考慮した育成ポリシーアとアサイメントとアサイメントの際の動機づけが代替できるものだと思っています。