プロジェクトマネージャに必要な適切な意思決定とは
とあるプロジェクトチームのリーダの任期が満了となって、後任のリーダと交代することになったんです。月末に引継ぎ、翌月初から「バイバイ!」なんてことはなく、1か月くらいオーバーラップさえて割とのんびりと交代劇を演じたんです。
で、その交代劇のシナリオをどう考えたかと言うと、まぁ、こういったものは交代する新任リーダと協議の上で公認サイドが以後の運営を考えて「ああしたい、こうしたい。」と言ってくるのかと思えばそうした意思表示もなく
「これはヤバイな。」
と思いつつも交代は既定路線でしたから筋書きをすることに。ま、その筋書きだって大雑把でしたが、
をチャッチャッと話して数日は見ていてもらって、後はこちら側が見ているのでお任せ、と。そうそう、モノゴトの判断は、最初からチームの中に入ってもらって、してもらうようにしていましたね。
それは判断するリーダが変わるということは、チームの行動を左右する価値判断の基準値が変わるというとなので割とインパクトのあることだと思ったからです。だから、例えば課題解決の判断を必要とするとき、新任のリーダとチームメンバで会話をさせて新任のリーダに判断させてこれまでと一緒なのか、別の価値観で判断しているのかを新任のリーダとチームメンバの間で実地ですが思考をしてもらおうかと。
リーダが変わることで判断基準が変わること自体悪いことではないと思っていますし、実際、変わるものだと思います。ソレを踏まえて、どう変わるのかを特に手を動かすメンバが受け止めてプロジェクトを一緒に回せていけるかの方を心配していたのでした。事情を話すと、そのチームがワタシも実はリーダの交代で入ったのですが、ワタシがリーダになったときは混乱していて仕事として安定して数か月のことだったのでメンバから見たらリーダが変わることは新たな波風が立つかもしれないという不安の種と思っているのではないかと危惧していたのでした。
案の定、課題解決の価値判断の基準が変わったのは人が違うから、なのでいいのですがどうしてもチームと新任のリーダが折り合わないところがありまして。
それは「曖昧さ」の幅でした。
とても曖昧。仮置きでもいったん決めて先に進める遣り方ではなく、曖昧にしたまま進めて調整事や決め事を後に後に送ってしまう。もうこれ、速攻でメンバに突っ込まれていましたね。「そんなのでは仕事の効率が悪い。」と。「仮置きにしておいて後で変わってもいいから、それも吸収してから立ち位置を決めてくれ。」と。ワタシが前者でしたから、まぁそっちのやり方と馬が合ったのかもしれませんが。
あと、一旦決めたことを方向転換したらどうなるかの後先を考えずに前ふりもなく方向転換することもあってメンバは割とヒートしてましたね。「それを変えたらどうなるかかんがえてたのか。」とかとか。仲裁しましたが。
このオーバーラップした引継ぎ期間がなければ、まぁ大人だから大丈夫なんでしょうけれど、嫌、そうあって欲しいですが、あってよかったですねぇ、引継ぎ期間。
ひとつ、改めて思ったのが、曖昧さはメンバには毒にしかならないですね。余裕代とは違いますからね。
じゃあ、いくらリーダだからって決められないときはどうするんだ、と聞かれるかもしれないですけど、ワタシもそのプロジェクトの中で何度もありましたね、課題解決とか仕様決めとかでどうも決めきれなかったことは。
でどうしたか、ですが素直に「わからん。」とか「今ある情報はアレコレしかないので、今今の判断は『コレ』にしておくけど。」と曖昧であることをハッキリとと伝えてました。「曖昧ですよ。」と。だからあとで「変わるかも。」と。
やっぱりそうした判断とそれ以後に起きることをチームメンバにそれこそ伝え共有するということがチームメンバの立場で考えたら知っていることに意味があるんですよね。あれは曖昧な中で判断したし、変わるかも、っていっていたから「仕方がない。」とか「しょーがねーな。」と。
さて、プロジェクトマネージャの適切な意思決定ってどんなものなんでしょうね。