エンジニアの羅針盤


羅針盤と言っても「艦これ」の羅針盤のようにランダムとか艦隊の編成とか索敵値で決定されるあれではなくて、ですね、エンジニアを職業として選んだご自身のキャリアをどう選ぶの、てきなことの方です。


そう言えば、もう数年たっているので古いのか未だ息をしているのかその取り扱いはよくわかりませんが、IPAITSS V3 2011というのがあって、これが出た当時、これを見て「うわっ」と思ったのはワタシだけじゃないと思うんですよね。なぜに声を漏らしたかと言えば、あまりにも職種が細分化され過ぎていたからです。


細分化されて、それでエンジニアの職種が細分されるといいことないです。大体ですね、「ボク、DBスペシャリストなのでそれは専門外です。」なんて言われたら仕事にならんです。とは言え、専門はあってもいいんです、と言うか専門は持っておいてください。


でも、細分され過ぎた専門を職種としてでいつまでも食べていけるか、と言えば、だれもわからないですよね。ダウンサイジングが叫ばれてオープン化がすすめられたけど、結局ホストはだいぶ減りはしましたがそれでも生き残っている、というように誰も未来予測なんてできないんですから、専門として持っておく技術とソレをベースにどうキャリアを考えるか、というか、自分の将来は自分で幅を持たせて考えて欲しいんですよ。


「ボク、DBスペシャリスト…」の話は実際にあった話です。「私はこの製品しかできません。」と言うのもありました。いずれにしても昔話なので、以前はそれを許していたマネージャはおおらかだったんだなぁ、と思うだけです。


自分の専門が○○で、と言うとき、「じゃあ、その○○の専門で食べていけなくなるとしたら何をやりますか。」という質問を自分に向けてやってみませんか。そのとき、それまで自分が将来に向けてやってきたことの本当の真価が試さるだけ、なんですけどね。


将来に向けてやってきたこと。そう、自己スキルの伸長に対して、です。


昔といっても20年前くらいですが、それと比較して今の技術に関する情報量は圧倒的ですよね。洪水どころじゃないです。情報の海みたいなものです。それに流入してくる情報も一向に減らないし、その勢いは増すばかりです。その溢れている情報の中で自分の将来の方向性づける情報を海の中から探すのか、あてずっぽで決めてしまうのか。


どっちにしても、最終的には将来の道を取り敢えず決めておくためにもそうした価値の有無も評価できないようなデータの中から自分の価値観で取捨選択して自分のやりたいことでやっていけるかを見定める必要があるのです。


其処で必要なのは莫大な情報の中から自分の中に取り込んで自分の価値観と一致するものを探して、自分に合う情報を見つけ、その情報自体を自分のためのものとして取り込む能力ではないかと思うんです。


傍目は直感や行き当たりばったりのあてずっぽで決めているように思うかもしれないけれど、実は、判断するより前に見たもので自分の中に取りおいた情報に基づいて行動しているのです。


ということであれば、日々の仕事に直接的な、ハックのような知識やノウハウではなくてもそれを習得していく習慣が必要になるということになります。また、こうしたことが将来の方向付けを見定めるときにふとヒントになったりするのも世の理と言うか。だた、そんなケースに役立つかどうかは、その情報を見たときには皆目目星もつかないのもしょうがないと言えばしょうがないんですが。