業務を観察するスキルを育てるには
新しい仕事やプロジェクトにアサインされたりするとそれまでの仕事の仕方がプロジェクトマネージャのスタイルだとかメンバの構成とかから、その仕事にフィットするように変える必要があったり合わせる必要があったりするわけですが、そうすると仕事の仕方自体は各自が持ち合わせているのだけれどその仕事特有の性質の差分を含めて亜流の仕事のスタイルを作っていく必要があるのですがそうしたことは普通の人は意識しないから仕事のスピードでフローさせてしまうと無形文化財的な暗黙の業務フローが日々累々と重ねられ継ぎ接ぎされて知らずしらずに運用されていると言う事態になるわけです。
そんな風に仕事をしていると明らかに非生産的な業務フローだとか整合性の取れていない作業の受け渡しだとか一切気づかずただその生産的でない活動を多く踏めた業務が自分を何となく忙しく感じさせるようになるんですね。それって、自分自身で「自分の時間を奪っている」状態なわけです。まぁ、何も考えずに要求がある度にデータベースを新規で作っていくようなものですね。だから重複する項目はいっぱいできるし、シノニムもホノニムも自分で進んで仕込んでしまう、と。
こういった状況を直視するには今ある姿を視覚化するのが一番なのですが、大体においてそうしたひのもとに晒すようなことは自分から進んでやらないものです。だって、自分の持ち場を自分だけ最適化しているのだもの。いや、最適化もせずに言われたまま、聞いたまま、知ったままで業務をやっている人が多いいこと多いいいこと。だって、でなければもっと自然に業務がコンパクトにシンプルになっているハズですから。つまり、業務に違和感を感じたらそれは何も考えずに持ち場の人がただ日々を処理しているだけの仕事しかしていないってことです。そうしたことは、業務がぶつ切りになっているとかという現象でも現れますね。
さて、そうした日々の業務をただただフローさせておくのはとてもモッタイナイです。ぜひとも認識できる形にとどめておく必要があるのです。それは運用として対処していることでも、日々の業務の中で判断に迷うようなことでも、ココロにちょっとだけひっかかったようなことでもいいのです。そうしたことを何某かの自分の記憶ではない外部記憶媒体に留めておく。これをやる。
じゃあ、どんな外部記憶媒体に記録するのがいいのか、と。今だと、テキストファイル、EXCEL、evernote、などなどあるけれど1件1葉にしておきたいし、それは一覧形式で見たくなったり、分類したくなるから。そうすると、ワタシのおすすめはやっぱりチケットなんですよね。tracとかの。昔でいうところのLotus Notes のDBに文書を作るような感覚です。まぁ、あれはリッチテキストファイルのようなものでしたから画像を貼るのも文字の色を付けるのも自在と言う特徴がありましたが、そうした装飾は必要ないし、留めておきたいのは仕事を見える形式で視覚化することなので文字で十分だし必要なら画像などはリンクを貼っておけばいいし。
こうしたwebサービスの一番いいところは、ファイルを開いたり閉じたりする手間がいらないことですね。添付することもないし、exportでもしなければあちらこちらに似て非なる分身を作らなくていいことです。共有が必要なrあURLを貼ればそれで済むし環境条件を満たすならどこからでもアクセスできるし。
で、それらは外部記憶に記録をしましょうというためのハードルを下げるためのキャンペーンのようなもので、本当の狙いは冒頭に書いたような現状の業務を暗黙でやっているような運用を認識でいる形式で浮かび上がらせてオカシイところは誰も幸せになれないので問題を見つける習慣の事始めにしましょう、というところなんですよ。
あわせて誰もが認識できる形態に暗黙の習慣から変換されるので、共有できる習慣にクラスチェンジできる下地を作れる、と。それって、実はいつまでも今の業務に携わっているわけではないのだから、あとあとに来る人への引継ぎの準備をしているということにもなりますし。
そうそう、こうした業務を認識できる形態にして、問題点を洗い出し、改善案を作り、それを実装するスキルはエンジニアには必要なのですよ。業務系エンジニアにはもちろんのこと、インフラエンジニアだって運用設計ってものがありますから。