システムエンジニアは業務経歴で貢献度を示すことができる

『私の履歴書』に出るとROEが低下するという怪 のタイトルが気になってざっと読んだ時にこんな風に思ったんですよ。相関関係があるかどうかはわからないけど、

・編集は、いま勢いのある企業の成功者を選びたい
・読者は、成功者の成功体験を追体験したい
・著者は、1つの名誉として世に自分の半生を残したい


でも、こう考えるとピークを過ぎたあたりでの執筆になるだろうから、あとは相当後任ががんばらないと業績維持は難しいのは当然かなー、と。


そういえば、デザイン界隈ので経歴にたるものは自分の作品で、それをポートフォリオと呼ぶらしい(この前教えてもらった)のですが、システムエンジニアポートフォリオに相当するのは業務経歴になるのでしょうか。


システムエンジニアが定年前の年齢でもなければ、かつ、この業界に愛想をつかしたのでなければ、まだまだそれなりに働かなければいけないわけです。しょうがないですね、資産家でもなければ。


そうすると、業務経歴が「私の履歴書」のように自分の将来のROEを下げてはとても拙いわけです。


以前に、プロジェクトでチーミングをするときにシステムエンジニアを探す必要があって、関心を持ってもらえたところには、業務説明をして参画の可能性をお聴きするときに意識してお話してたことがあります。


それは、これまでに参画していたプロジェクトでのロールです。


そのプロジェクトのロールを意識していない業務説明に同席していて「それじゃ危なっかしいよなぁ」と思うときがありました。何が危なっかしいかと言うと、プロジェクトで使うミドルウェアとかのスキルセットが必要なときに、そのミドルウェアが「使った経験がある人をメンバにしたい」と聴くんです。


それ、期待している「使った経験」とは、「利用者として」なのか「設計ができる」なのか「設計ができるリーダとして」のどれで聴いているの、って突っ込みたくなります。


だってねぇ、設計できるスキルがプロジェクトとして必要なところに、実際にプロジェクトに参画してもらってから「利用者としての知識しかありません」と判明したら悲しいでしょう。悲しんでいる暇なんてなくなっちゃうと思いますけど。


で、プロジェクトに参画するSEさんとしては、やっぱり経歴には「プロジェクトでのロールも」書いたほうがいいと思うんですよね。それで、それに見合う対価をもらう。その辺をあいまいにしておくと、安く買われる上にそれ以上の仕事を押し込まれるので。


経歴にロールを書くためにも、こうしたシステムエンジニアの経歴、ポートフォリオを考えるに「将来をどうするかまでを考える習慣をつけて欲しいなぁ」と思います。それは、経歴書を出すたびにそこがピークにならないように、という意味があるのです。


先に書いたように定年退職するまでこの業界にいるのなら、ただ経歴書に参画したプロジェクト名や扱えるプロダクト名を並べるのではなく、プロジェクトで担ってきたロールを書くことでこれから参画するかもしれないプロジェクトでの貢献度合いを示すことになるからです。