ロールモデルから卒業


ワタシの経験から言えば、システムエンジニアがキャリアを意識的に歩み始める最初だけでもロールモデルを作ったほうがいいと思うのです。


前文の一部分をもう一度繰り返しますが、少なくとも「システムエンジニアがキャリアを意識的に歩み始める最初だけ」は、ロールモデルを作ったほうがいいと思います。


それは、自分のキャリアのなりたい姿をロールも出るに映し出すためです。メンバに「将来どうなりたい」と聞いて、ずばりなりたい姿を言ってきた人は皆無でした。


ワタシだって、最初からロールモデルを持っていたわけでもないし、ロールモデルを作ったのは1つのキッカケでした。


ワタシがロールモデルを作ったときに気にしたことがあります。それは、ロールモデルの元となる人からは1つのスキルだけ取り込む、というものです。まるっきり写しにはしない。だって、それでは、単なるその人のコピーじゃないですか。


それに、それでは単なる「憧れ」みたいなものです。それはなりたい姿じゃない。だいたい、憧れな人になってもいいわけがない。


だから、一人からは1つ。複数の人から1つずつなりたい姿に織り込むんです。


その複数の人の人数も2-3人が限度でしょう。10人も20人もたくさんの人のいいとこ取りしたロールモデルを作っても、そのロールモデルを見るたびに疲れちゃいますよ。


だから、2-3人程度がいいのです。そのうち、実現した、できるようになったスキルはロールも出るから外して新しいロールモデルに置き換えればいいのですから。


もう一度、前文の一文を繰り返すと「意識的に歩み始める最初だけでもロールモデルを作ったほうがいい」のです。最初は誰でもなりたい姿なんでイメージ持っていないと思うのです。それを持たずに進める人がいるなら素直にすごいな、と思います。少なくともワタシはそうじゃなかったから。


ポイントは「最初だけでも」です。一度、イメージをもてたらそれでいいんです。第一、ロールモデルを毎日意識することなんでワタシなんかはなかったです。何かのマイルストーンのようなときに思い出すことがあるのです。これからどうしようか、とかそんな、自分を振り返り、次はどうしようと思うときです。そうでもなければあまりないですね。


そんな程度でいいのか、と聞かれると、いいのだと思います。最初のロールモデルを、なりたい姿をイメージアップするときに散々、考えるから。そこで、自分が自分になりたい姿を刷り込むから。それで十分です。


ワタシの場合、ロールモデルは2人です。です、と書いていますがたまたまですが最初にロールモデルを作ってから放置しているというか、変える必要がないのでずっと同じです。一人の人はたまたまあるプロジェクトで知り合った人でしたがプロジェクトを離れてからは会うことはありません。もう一人は会う機会は作ろうと思えば作れますがその程度になりました。


でも、このお二人のそれぞれ一つずつのスキルを持ったロールモデルはとてもお世話になったと思います。このようなケースではどう行動するか、どう考えるか、などで。


そのうちにロールモデルではなく、自分自身が担っているロールとして考えるようになるのですよねぇ。そこがロールモデルの卒業なのかもしれません。


卒業すると、向き合うのは自分自身になるんですよねぇ。