システムエンジニアは目の前に並んだ選択肢からじゃないとキャリアは選べない


人って、自分で関心を持てるもの、興味を持てるものは「自分では探せない」のではないかな、と思ったんですがどうでしょう。てっとり早く、ワタシを例に挙げれば、プロマネを選択するに至った元を辿ると、当時の上司との会話の中でキャリアの選択肢を示唆してもらったことで得た「キーワード」であったんです。


これって、自分で見つけたり、探したわけじゃないんですよね。選んだ、ではありますが。ワイフだって選択したんですよ。この人と一緒にいたい、と。いやいや、選ばれたんでしょう。そうすると、ワタシは望みをもって意思を伝えただけだな。


そう考えると、人は目の前に並んでいないものには気付くことができない、ということが言えるのかなぁ、と。


じゃあ、お仕事はどうだろう。やっぱり同じなんじゃないか。それが自分の価値観に合うかどうかはやってみないとわからないからずっと先で、まずは、目の前に並ばないと選べもしない。


そして、仕事は大概、1つしか目の前に並ばない。それを選ぶか選ばないか、それのどちらか。


最近はスタートアップという選択肢もあるから、組織の中、外のどっちでもいいけれど、自分で選択肢を作ることができるようになった。それでもやっぱり、自分が見聞きし知らないこと、無からはないも生めないから自分が過去に見て知ったことを混ぜでアイデアにする。そして、それをやろうとするか、しないかを選ぶ。


自分自身もそうだし、部下を持っているマネージャならその部下に対して目の前に選択肢を並べないといけないですよ。並べる選択肢は、キャリアかもしれないし、技術かもしれない。育成テーマ、スキルやコンピテンシかもしれない。


そうした機会を作ることがマネージャ、いや、大人に期待されていることなんじゃないのかな。


そして、並べられて選択肢から選んだ後に見えてくるものもあるんですね。プロマネを選んでやってみたあと、その次「も」プロマネを選ぶか、それとも「もうこりごり」と元の道に戻るのか。


その選択の場面でも、目の前に並べるんです。選択肢をね。そういう繰り返しの中でメンバは自分が得意なこととやってみたいことを考えるようになってくれる。


そうしているうちに、ちょっと欲が出てくるんですよね。あれをしてみたい、コレをしてみたいと。そこまでたどり着けたらあとは少しずつ手を放していく。自分で探せるようになっているから。


これがシステムエンジニアの育成なんじゃないかなぁ、と思うんですが。