先輩が新人システムエンジニアにデスマを刷り込みしているのでは


新人システムエンジニアの研修講座を持っていて、毎年眩しく輝く彼ら彼女らを見ていると微笑ましく思うようになったのは自分の子どもの将来の姿とダブって見ているからかもしれないです。右も左もわからないところで講師たちに右に左に振り回されている様子が初々しいというか、じゃ感不憫というか。現場に出て半年もすれば少しは世間に擦れて多少は風格が出てくるかもしれないですが。


受け持っている講座の合間あいまで成果発表を担当している先輩から新人SEが呼び出されていく。本来であれば講座の合間であっても思考が切り替わってしまうからそうしたことはお断りすることころだが、期日が迫っているということで休憩中であればどうぞ、と受け流すのはそこがこの研修で頑張るところではないから。


その先輩の煽りのような物言いをちょい見をして思ったこと。


先輩は先輩の職種として立派なスキルも実績もあったとしても、教育の専門家ではないだろうし、プロジェクトマネージメントも専門ではないだろうと思ったんですよ。


プロマネなら期日に合わせてスケジュールを組むことはない。リスクを見極め、リスクに応じたスケジュールを組もうとするから。タスクを完了する可能性が見極められないなら、バッファを使って機嫌を前倒ししてスケジュールを提示してそれで実績をトーレスする。成果発表の直前で叱咤している状況を見ればプロマネではないことは明白かと。


教育の専門家ではないというのも教育スケジュールを意識して、成果発表で新人SEたちが成果をアピールさせようとする段取りになっていないことからもうかがえるかと。教育の専門家であれば、新人SEたちが研修コースを無事に完了して、身につける予定のスキルを計画どおりに全員が身につけて現場に配属できるというのが教育専門家のミッションと思うから。そう言えなければミッションは失敗なわけで。


成果発表を担当している先輩は成果発表の課題を投げるだけ投げてノーコントロールで放置して直前で発表の成果を見て慌てて指示し始めたか、本当に新人SEの出来が悪いのか。


いや、新人SEの出来が悪いかどうかは問題ではなく、えっと現場に行ったら問題になるかもしれないけれど、当たり前の


・成果発表の課題に対する期待を仕様として伝えていたか
・理解できていることを確認したのか
・新人SEの出来を見極めてスケジュールを安全サイドに振ったのか


が気になるし、その場面を見た限りやってはいないんだろうと思うんです。これ、いきなりダメなプロジェクト管理を新人SEに体験させてどうするの、としか思いつかないんですけど。


最初に見たものが正しいものだと思い込むのをinprinting、刷り込みっていいますよね。もしかして、QCDとTImeのプロジェウトに必要なリソースの半分以下しか与えられないというデスマの定義からいうところのデスマを実は先輩がそれが当然の働き方であると刷り込んでいるなんてことはないのかしら…。


そんなことを思いにふけったスーパームーンの夜道でした。