マネージャが判断基準を明確に表明することは、メンバのこころの余裕を作る
混沌としてたチームがあって、立て直しを頼み込まれてプロジェクトロームに足を踏み入れて感じたことは
「(整理整頓をする暇もないほど混乱しているのかな)」
でした。立て直しで足を踏み入れた以上、日々のタスクのコントロールはもちろんですが、チームが快適に仕事ができる環境を作らないと
「(アウトプットの品質は確保できないぞ)」
ということに思い至ってどうしたかというと、シンプルなラインを引いて、チームに明確に示したのでした。
将来の作業の負債を予防する
チームのメンバが一人ひとり自分の経験でやっていた作業を誰も良し悪しを見る暇もなかったところを敢えて止めさせて、知見のありそうな数人のメンバを集めて精査をさせることから手をつけ始めます。これは先々の作業でのミスを減らす予防的措置です。
将来に行う作業で生じる負債を今の時点で積み重ねておかないというメッセージでもありました。
標準プロセスを守らせる
何に基づいて作業をしているかを聞いても誰も答えられないくらいの状況でしたので、作業を聞いて、プロセスを作り直す。これもリーダの仕事です。できていないならできるようにしないといけない。
放置しておくことは、無作為と同じです。ダメな状態はチームが結果を出せるやり方に変えないと。
混乱しているチームには、標準プロセスを明示してその通りにやらないと先に進められない設計をすることが必要なのです。そうすることで自然と、いや、必然とプロセスが同じになるので。
安全地帯を明示する
チームの作業プロセスでやって、知見者がレビューした手順で、その上、検証までしたやり方で作業ミスがあったらどうするか。
「チームのルールを守っていてミスをしたらワタシが守る。でも、ルールを破ってミスをしたら守りません」
はっきりと、マネージャの判断基準を明確に示すことです。どこが安全地帯か。どこを越えたら自分の責任になるのか。
それを明確に示すことで、チームはルールを守ってくれます。もし、ルールが間違っていたら、それこそルールの改善です。リーダが率先して改善するのです。安心して、メンバが作業できる心理的な環境を作ることは、こころの余裕を作るということです。