60回出てくるキーワードで読み解く「ユーザのための要件定義ガイド(IPA)」
昨日、IPAから次のガイドブックが公開されました。まだ斜め読みもできていませんが、パッと目次だけ目を通りしたところです。
ユーザ登録すると無料でダウンロードできるので、仔細は各自確認していただくとして、タイトルから
ユーザのための要件定義ガイド~要求を明確にするための勘どころ~
となっているところに関心が持てます。ちらっと見たところでは、ベンダーに対するプタクティスも織り込まれていますが、ユーザ向けだとはっきりとタイトル付けしているところにIPAの意思を感じます。まあ、10人の委員のうち、5名がベンダーですからその辺はバイアスがかかっているかもしれません。想像ですが。
60回出てくるキーワード
順にページをめくっていくとP12に図 1.3 工期遅延理由分析という工事遅延の理由が目を引くので遅延理由のトップは、
要求仕様の決定漏れ
だそうです。で、ページを進めると
要求は膨らむことを前提としてプロジェクトを計画する
というタイトルが出てきます。なんとなく、この辺はワースト(敢えて言い換えています)1の理由に関連しそうだな、と。
そこから、ワースト1の標題の文字の中からキーワードが浮かんでくるんですね。
それが、
「決定」
です。そこで、「決定」で検索すると60回使われている。他に決定より使われている言葉があるかもしれませんが、要件定義が上手くいかない場合の最大のキーワードは
ユーザ側にもベンダ側にも「決定」できる人がいない
からではないか、と思うのです。
決定するために必要なこと
プロジェクトの規模、難易度に関わらず、プロジェクトの目的を達成するために必要なことは、プロジェクトが完了するまで意思決定し続けることです。
それがプロジェクトに参画するメンバの役割です。
では、決定するために必要なスキルは、
・決定するために適度なインプットを収集するスキル
・決定するロジックを作り上げるスキル
・プロジェクトの要求品質に適合してるアウトプットであると決定するスキル
です。基本はIPOですけどね。一つひとつのWBSごとに意思決定しているのです。それの積み上げがプロジェクトですし。
そういう意味では、このガイドは様々なガイドとしてのツールやプラクティスが記載されていますが、そのツールやプラクティスに目を奪われていてる間はどうにも上手くいかないです。
本質はなんであるかを押さえないと。読み手が自分なりにガイドからエッセンスを抽出して、自分なりのモデルやパターン、若しくは、センテンスに落とさないと。