エンジニアのポートフォリオの説明ガイド

エンジニアに自己評価や、(エンジニアとして)何ができるかを尋ねると、概ね「○○やった」「○○した」と答えてくれるが、聞きたいのはやったことじゃない。

尋ねているのは、自己評価や出来ることを裏付け(具体的な案件でのエビデンス)である。そういった経験(話を聞かされると)すると、エンジニアはそのあたりのアピールをもう少し上手になった方がいいと思う。

自分の実績をポートフォリオと言う業界もあるが、何をやってきたかプロジェクトでの業務の成果を説明出来るエンジニアであることは、実はとても大事なことなのだと思う。

 

では、次の問いに回答して欲しい。

  • 直近3年の案件の中から、専門分野のスキルを活用した事例を説明してください。
  • その案件での貢献を説明してください。
  • エンジニアとして心がけていることを説明してください。
  • 今後に取り組みたいことを説明してください。
  • 後進育成についての取り組みを説明してください。
  • 組織内外の活動の取り組みを説明してください。

 

  • 直近3年の案件の中から、専門分野のスキルを活用した事例を説明してください。

ここでは、ロール、担当エリア、適用技術・手法の観点で答えることが望ましい。

ロールは、そのエンジニアがどのレベルの責任を負っていたかを把握しやすい。担当エリア、適用技術・手法は、背景にある知識と専門技術を理解しやすい。

  • その案件での貢献を説明してください。

貢献は案件の目的をどのように達成したか、で捉えると良い。ロールで貢献を表現することは変わる。プロマネはQCDでも良いし、エンジニアは技術的な課題解決でも良い。そうした例を簡潔に説明できる必要があるが裏付けがなければならない。

  • エンジニアとして心がけていることを説明してください。

これはエンジニア毎に違うと思うが、共通的な概念で言えば、イズムや価値観として表現できれば良い。イズムや価値観は一貫して作業の成果に現るためである。

意思決定の連続で成果を出しているので、価値観が無いことはない。ないと思ってしまうエンジニアは、価値の軸がまだ育っていないのかもしれない。

そう言う場合は、大事にしていることを挙げても良い。

  • 今後に取り組みたいことを説明してください。

詳細に述べる必要はない。方向性だけでも良い。サーバサイドエンジニアを目指しているとか、セキュリティエンジニアの経験を積みたい、など。

その方向性を踏まえた上で、どのロールをやりたいかを加えること。現在担当している延長線上であれば尚更、ステップアップしたいと表明することで貢献したいと言う意思が汲み取れる。

誰もが先のことはわからないのだから、考えていない、思いつかないとは言わない。今この瞬間は「機械学習に興味がある」でも良い。

  • 後進育成についての取り組みを説明してください。

後進育成となると、若手は育成される側だと思い、無関係と考えるかもしれないが、そこは取り違えないように。自分を育成する、同期に影響を与えることはできる。

また、若手のエンジニアであっても自分は学ぶ気づきをもらうことがある。

ここで何も育成に取り組んでいないと言うのはよく無い。実際には、何かしら育成に関与しているものだ。それに気づいていないことが多い。

  • 組織内外の活動の取り組みを説明してください。

組織から見れば、組織の名前を売って来て欲しいと思っているが、そんなことは考えなくていい。私的な活動としてでも構わない。エンジニア自身の世界を広げる意味合いで も良いので専門性を深める、広げる活動に取り組んでいることを説明できると良い。

ここで「××な理由でできていない」などと自己を否定するマイナスの説明はしない方が良い。マイナスの説明をすると自己をコントロールし、取り組むことが苦手だと印象付けてしまう。

 

 

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