まぁ、自分の性能を思えば、そりゃ期待しすぎだ。

頭のよい子が育つ家
図書館にあったので読んだ。前半の有名中学に合格した子の家の間取りは、大変楽しめて読めた。なかなか他人の家に行くことはないので、大変興味深いからだ。また、挿絵も上から見下ろすようで、中の人も下から見上げるような表情でかわいらしい。
特に印象が残っているのは、やはり栄光学園に合格したAくんの家のリビングに卓球台のある家だ。筆者も紹介のはじめに持ってきていることから、読者の興味を惹くインパクトがあると踏んだのだろう。正解だね。

#これを書いているときは、ちょうど北京オリンピックの卓球のスケジュールで、
#我が家でも卓球が話題になっていたからと言うのもあるのだけれど。

もう一つあげるなら、麻布中学に合格したDくんの勉強法だ。ビールケースの上に丸テーブルをおいて、どこでも机。あぁ、この発想はなかった。こうして、歳の上下関係なくいろいろ学ばせてくれることがとても楽しい。この本を読んで良かったなぁ、と思う。

ところで、この本を読んで、お受験に一生懸命なお家は、真似をしたりするのだろうか。小学校のお受験の面接で、イトーヨーカドーのスーツをお母さんが着たら合格したと聞くと、翌年ぱっと広がったりしたように、勉強方法を真似たりするのだろうか。家の間取りは、そうそう真似できないから。
この本の答えは、最初のはじめに書いてある。はじめにの最初の見開きを読んで、ページをめくると右のページの終わりに掛けて書いてある。ずばり、「コミュニケーション」が取れてるように工夫がしてあるかと。そこには、著者の会社名を絡ませて書いてあり、もう、答えはことだよ、という感じがビシビシ伝わってくる。さらに、もう数ページ先にも「コミュニケーション」がキーワードとして書いてある。

よくよく考えてみると、おかあさんとしっかりコミュニケーションが取れて、聞きたいことがきちんと聞けて、普段はおかあさんが教えてくれるような環境なら、勉強をしても楽しいに違いない。もちろん、小さいことから、学ぶことを習慣にしてくれるようなおかあさんやおとうさんがいて、学ぶことが自然と生活の一部になっているなら、この本にある事例のようになるかもしれない。
もしそうだとすれば、かなりの家がこの本に載れるような候補になるのかもしれないけれど、それでは本にまとめるにしても、まったく、普通過ぎて、読んで楽しくないよねぇ。

この本は、合格した事例を紹介した第1章と筆者の考えの第2〜4章で構成されているが、やはり読み応えのある、読んで参考になるのは第1章だろう。11の事例から何を共通項として引き出すか、引き出してどうするか、その先はどうするのか。頭脳の考えた家の中で、何を学び、何を実体験として経験させるのか。それを考えて、どこまで力を精一杯掛けるのか。

いやいや、もろもろ考えはできるかもしれないけれど、寝ている子の顔を見て、わが身を振り返れば、まぁこんなもんだろう、と思う自分が。