こどもだけではなくて、大人にもやる気にさせるエッセンスが沢山詰まっている

こどもをやる気にさせる101の言葉
前の日記で取り上げたように、中学では全くもって勉強をしていなかった。いや本当にしていなかったのだ。よくよく思い出してみれば、英語の塾のようなところに行ったことがあるのだけれど、特に受験対策の進学塾ではなかったし、先生も大学生のような若い男の人で、授業も学校で分からないことがあれば聞いて、というような塾だった。なので、1ヶ月くらいで辞めてしまったように思う。たしか、その塾の本部と先生が教え方かなにかで揉めたようで、その先生だった人も辞めたように記憶している。

タラレバの話をすると、もし、この本に出てくるような先生と巡り合って、促されて、教わる方もその気になったら、今とは随分変わった世界で生活しているかもしれない。

この本は、8章で構成されていて、例えば次のような構成になっている。

第1章 受験を前にした子どもへおくる15の言葉
第2章 勉強に意味を見出せない子どもへおくる14の言葉
第3章 志望校選びに迷う子どもへおくる11の言葉
第4章 友だち・親との関係にとまどうこどもへおくる12の言葉
第5章 失敗・挫折したこどもへおくる13の言葉
第6章 勉強のやり方にとまどうこどもへおくる12の言葉
第7章 自分に自信を持てないこどもへおくる13の言葉
第8章 受験後のこどもへおくる11の言葉

この本を読んでいる最中に、ラインマネージャ向けのリーダシップマネジメントを受講していて、受講あとに思い返すと、随分被るなぁと思った。

最初のうちは、気になった箇所に付箋を付けたら、あっという間に5箇所も付いてしまった。

そのうちの一つは、「模試の結果が悪く落ち込んでしまった中3に」の「点数が取れなかったら先生の能力がないと判断しなさい」というタイトルの内容だ。

受験は長い期間を掛けて受験生を育てるということで、ただ長い時間を掛ければよいということではない、それでは思考しない作業だと。

この文章を読み返して思い出したことは、先日あった新人研修での成果発表会で自分が新人の発表につけたコメントと同じだということだ。この箇所は、先週くらいには読んでいたはずなので、その刷り込みがあったのかもしれないし、そうでなかったかもしれない。先のリーダシップマネジメント研修では、成果を上げるためにどうしたら部下=人は動くのかということを学んだわけで、会社の中で部下を動かすためには、その人たちを日頃から育んでおく必要がある。人を育て、成果=受験で合格するということは、受験は中学受験や高校・大学受験などに限られるが、社会人になると毎日が受験のようにプロセスを積み重ね、結果を出すということと同じことだ。このケースで後に出てくる箇所にもう一つ気になる箇所がある。それは、「合格しないとわかっていれば、受験させようとしない」という箇所だ。これは、多分彼彼女なら何とかやってくれるだろうという、仕事の責任を担わせて、結果を出させることに似ていると感心している。

もう一つの言葉で「自分はどうしたいの?・・・」というフレーズがあり、これも普段仕事のメンバに確認する言葉と同じで、気になったのだ。最近多いのは、トラブルが起きましたも報告せず、こちらから聴かないと全く情報が入ってこない体質にすっかり感染した結果かもしれない。状況に流されて、録に情報を押さえていないものだから、説明もたどたどしく、整合性がないので、そこを突っつくと簡単に頭が真っ白になってしまう人が多い。突っ込まれてあたふたするものだから、考える余裕もなく、結果どうしたいのかと聞いても、どうしましょう、などと全くふざけたことをいうようになる。こちらは、「あなたがどうしたいのか」と聞いているのに。

あと、「悩んでいる人と考えている人では行動が違う。」が全くそのとおりであると共感した箇所だ。悩んでいる人は、トラブルが起きてどうしたら良いのか全く自分で判断する基準を持ち合わせていないので頭が真っ白になってしまうのだろう。考えられる人は、何かトラブルが起きたときに、現状での情報を最善を尽くして収集し、自己の価値判断や過去の類似経験を生かして、ギャップを認識し、現実的な解決策つまり視覚化された課題の取り組みに対してアクションすることができる人なのだ。

そして、「・・・やらなくちゃいけないのなら、楽しんでやろうよ。」。これも自分が会社での仕事を早く覚えるコツでもあり、モチベーションを維持するのに大変役に立つことだ。
この本は手元に置きたい本だ。