期末になると、一年の業務評定の時期となるので、その評定案が
確定されると結果通知を伝えることになる。年功序列をベースと
して選抜された人から優勝劣敗の格差を付するしくみと目標管理
制度をベースとして、目標達成結果により個人評価をする制度が
あるが、どちらが良いかなど浅はかに決め付けてはいけない。
目標管理制度自体は、目標を自ずから設定できて、自信が目指す
目標を設定できる人には、その成果によって評価が左右されるこ
と自体に納得できると考えることに異論は多くはないだろう。
ただ、どちらの制度にしても、評価は直属の上司が下し、最終的
な調整は、組織の中で評価調整をするであることを省みれば、業
績評価は、他人が定性的に行っていることを強く認識する必要が
あるだろう。

ここ数ヶ月の不況の中で、派遣社員の期間満了に伴う、契約延長
をしないことに対する風当たりが企業それ自体から正社員に向か
おうとしているきらいがある。
果たしてこれは正常な行動なのだろうか。
たとえ、仕事の成果をろくに出してしていない正社員がいたとこ
ろで、不況だからといって派遣を首切るより正社員の方が効果的
だという論法は受け入れられない。なぜなら、その社員が社員の
ままでいられるのは、その会社が不要であるとは思っていないの
だからであり、必要なのだが成果を出せていないのであれば、そ
れはその組織が、社員に対する指導や再教育や評価が正しく行っ
ていないことの証明に他ならない。
ましてや、ベテランの正社員を安易に首を切るなどする風潮にな
るとだれも正社員として無理をしてまで働こうとしなくなるので
はないだろうか。だって、ベテランになり一息ついていると、首
を切られてしまうのだから。
真新しい社会人を一人前にするまで、一体いくらの教育費用が必
要で、一人前になった戦力をスパッと捨ててしまうような組織は
存続することはできないだろう。そのような組織であることを知
らずに入っても、数年すればその組織の内情を知るであろうし、
知ることになれば自身が同じ轍を踏まないように、早期に転職す
るなど対策を立てて、そそくさと組織を移ることを画策すること
を想像することは容易い。そんな組織の人材が増えて、組織が成
長することがありえるだろうか。とても考えにくい。