二面性を持つ優位性
俯瞰するワタシと集中できるワタシ
エンジニアの大半は、専門性を持って仕事をしている。ITならWebアプリケーションのコードを書くのが専門かもしれないし、基盤のエンジニアならOSが専門かもしれないし、運用ならネットーワークや構成管理が専門かもしれない。最初は、真っ白な状態からエンジニアの“エ”を覚えるようにOJTやOffJTで教育を受け技術力をつけさせられる。一つのことができるようにステップアップをしていき、何年かすれば一人前と判を押され荒波に向かわせられる。日々、山のような作業をこなすことで一杯だからひたすら集中することでヘトヘトになりつつもやり遂げているのが日常だ。そこには自分のことをこなすだけで精一杯な自分だけが存在し、集中することを覚えるエンジニアが存在するのも確かだ。
ところが、である。自分はエンジニアのころ、−いや今でもエンジニアの分類に入れて欲しいのだが−、集中できないエンジニアだった。なぜかはわからないが特にコーディングだと集中する気がしないのだ。最近話題のコードの匂いがしないエンジニアだったのかもしれない。それでもいくらかはコードは吐き出したし、書かないとバカがさらに馬鹿になると思って一度しか使わないような作業もperlで組んでみたりしたこともあった。
一方、全体を把握する、見渡す、先を見るような俯瞰することができた。コードを書けるエンジニアが羨むようなことを言う。私には俯瞰できないと。自分は内心、逆に思う。コードがサクサク組めて良いなぁ、と。組めないことはないよ、実際組んでいたし。
俯瞰できるワタシ。
コードでは集中できないワタシも、文書書きなら集中できることに気付いていた。人と会話し、要点を聞き取り、形にするのだ。この作業はとてもワタシをワクワクさせる。見えない世界を現実化するのだ。
俯瞰できるワタシと集中できるワタシ。どちらもワタシ。
二面性を持つ優位性
俯瞰できるワタシと集中できるワタシ、どちらもエンジニアとして必要なスキルだ。何かをアウトプットする作業をすなら、その作業に集中して吐き出さねばならないし、そのアウトプットが求められている“品質”を備えているかを見る為には全体俯瞰する鳥の目で見る必要がある。集中できるスキルだけでは“品質”を確保できないから、全体の世界を見渡すスキルで補完する。仕事を学び始めたときは構わないが、徐々に多面的に物事をみれるスキルが必要になるのである。少なくと、エンジニアとしての専門家としての面と全体を見れる面の二つが必要だ。それを兼ね備えるだけで、仕事の作業“品質”は上がるし、一定以上のアウトプットが出せるようになれば、さらに別の視点を持つことにつながり、面を増やすことが出来るだろう。
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読み終わった。最後の2章くらいでやっと書き手がこの話の世界観を掴んだかな、という書きっぷりになって、これもいつものパターンで安心。最初のグロっぽいところが長すぎるので入間人間になれていないと、辟易してしまう読み手が続出するだろうなぁ。みーまーから入っている古い読者なら問題なかろうが。2巻はどうしようかなぁ。
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